和楽器と日本文化の素晴らしさを世界の人に伝えようと結成された「AUN J クラシック・オーケストラ」が11月11日、東日本大震災で被災した人たちへの鎮魂の思いを込めた奉納演奏を伊勢神宮参集殿能舞台で行った。
今回の奉納演奏を同グループリーダーの井上良平さんは「各メンバーは、東日本大震災が発生してから、『自分たちにできることは?』と考え、演奏を聴いてもらうことで元気になってもらえれば――と被災地での演奏活動などを繰り返してきた。被災者への鎮魂の思いと早期復興の願いを込めて演奏させていただいた」と話す。
この日使用した和楽器は、和太鼓、三味線、篠笛、琴、尺八、鳴り物の大小計15種類以上。文部省唱歌として歌い継がれる「故郷 (ふるさと)」や「花」のほか、オリジナル曲「道」など13曲を演奏した。
同グループは、2007年に邦楽界で活躍する若手ミュージシャンらにより結成。日本の伝統的な和楽器を使い映画音楽やポピュラーミュージックなどをアレンジし演奏する。これまで「となりのトトロ」などスタジオ・ジブリが手掛けた映画音楽をアレンジし収録した「和楽器でジブリ!!」や、コブクロ、宇多田ヒカル、森山直太朗、ケツメイシなど日本人アーティストが歌う「桜」をテーマにした曲を集めた「桜-SAKURA-」、今年2月に発売したオリジナルアルバム「道~Road~」の3枚のCDを発売する。昨年6月にはフランス世界遺産「モン・サン=ミッシェル」の中の修道院でコンサートを開いた。