日本の伝統芸能である人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)・文楽を多くの人に親しんでもらおうと1月28日、文楽レクチャー講座「文楽はじめの一歩」が阿児ライブラリー(志摩市阿児町)で開催された。主催は志摩市教育委員会と三重県文化会館(津市)。
物語の台本を感情を込めて語る「太夫(たゆう)」を竹本文字久大夫さん、三味線でリズムを取ったり効果音を入れたり喜怒哀楽を表現する「三味線」を竹澤宗助さん、人形を操る「人形遣い」には、首と右手を操る「主遣い(おもづかい)」を吉田幸助さん、左手を操る「左遣い」を吉田玉勢(たませ)さん、脚を操る「足遣い」を吉田玉翔(たましょう)さんが、それぞれ講師を務めた。
講師は、それぞれの役割を一つひとつわかりやすく説明、客席から見えない裏情報まで披露した。人形遣いは丸裸にした人形を使い、歩き方、座り方などがどのような操作で成り立つかなどを実演を交えて教えた。笑い方では「大阪のおばちゃん」や女優の中村玉緒さんのような独特の動きまでまねしてみせると、会場も爆笑に包まれた。
同市の安乗(あのり)地区は、約400年以上続く「安乗の人形芝居(安乗文楽)」が住民たちによって守り続けられ、1980(昭和55)年には国の重要無形民俗文化財の指定を受けた。毎年9月15日・16日には安乗神社(同)の境内にある人形芝居舞台で安乗文楽が上演される。
三重県文化会館(TEL 059-233-11221)で3月17日、「人形浄瑠璃 文楽」が開催される。当日、志摩市から同館までの「文楽バスツアー」も運行予定。