近畿日本鉄道(大阪市天王寺区、以下近鉄)が「志摩スペイン村 パルケエスパーニャ」(志摩市磯部町)の隣接地に建設を進めていたメガソーラー(大規模太陽光)発電所「近鉄志摩スペイン村ソーラー発電所」がこのほど完成し9月23日、鈴木英敬三重県知事や大口秀和志摩市長、磯部小学校児童59人ほか関係者合計約120人を集め開所式を行った。
「近鉄志摩スペイン村ソーラー発電所」約1万枚のソーラーパネルで約2メガワットの発電容量
同社初のメガソーラー発電所となる同所は、同社保有の遊休地を有効活用し、25メートルプール約100個分に相当する約6ヘクタールの面積に、中国製ソーラーパネル(1650×990×40ミリ)10005枚を設置。一般家庭約610世帯の消費電力に相当する約2メガワットの発電容量(パネル容量は約2.5メガワット)で年間約220万キロワット時の発電量を見込み、国の再生可能エネルギー全量買い取り制度(売電価格=1キロワット時40円)を用いて中部電力(名古屋市)へ売電し、年間9,000万円の売り上げを見込む。建設・運営は、中部電力グループのシーエナジー(同)が行う。
また、三重県の補助事業「三重県メガソーラー等地域貢献施設支援事業」を活用し、高さ約3メートルの見晴らし台や発電表示パネルなどを施設内に設置。すでに進めている志摩スペイン村の汚水・生ごみ堆肥処理施設やゴミ焼却場を見学する小学生を対象にした体験・体感プログラム「環境施設の見学コース」の中に同所を組み入れ、児童の受け入れを進めている。すでに12校のうち3校から同所見学の予約が入っているという。
同社の小林哲也社長は、「鉄道会社は電力が命。グループ全体でも多くの電力を消費している。社会貢献の一環として太陽光発電所の建設を積極的に進めている。発電のほかに、環境学習施設として小学生が身近にエネルギーのことを考えてもらえるきっかけになれば」とあいさつした。
鈴木知事は「県も新エネルギービジョンの策定を行い、エネルギーの地産地消を積極的に進めている。県内に26カ所(現在稼働11カ所(同所含む))のメガソーラー施設ができる。ソーラーパネルが太陽の光を浴びて、どんどん発電することを祈願する」と祝辞を述べた。
同社は、志摩市のほか伊賀市(約11.6メガワット)、奈良県大淀町(約3メガワット)、大分県大分市(約2メガワットの計4カ所(合計18.6メガワット、約6200世帯相当)でメガソーラー発電所の建設を進めている。