伊勢エビの身や殻などから作った濃厚なタレにうどんを絡めて食べる「伊勢えびうどん」を看板メニューに9月29日、手打ちうどん店「うどんちゃん」(伊勢市岩渕)が近鉄宇治山田駅前の明倫商店街の一角にオープンした。
手打ちうどん店「うどんちゃん」、「伊勢うどん」から「伊勢えびうどん」へ
麺類を製造する「山口製麺」(大世古)の山口博司さんとフレンチレストラン「グリル片山」(岩渕)の片山朗さん、整体店を展開する「RE楽X(リラックス)」(藤里町)の山下貴弘さんの伊勢出身若手経営者3人が「障害者に雇用の場を提供しながら地域に根ざした商品を開発し地域とともに発展しよう」と三重県立特別支援学校の「玉城わかば学園」(度会郡玉城町)の障害を持つ卒業生2人を雇用して同店を開いた。
今年同校を卒業した2人は山口製麺で約半年間、うどんの製造方法などについての研修を受け、8月から麺打ちのトレーニングを重ね、開店にこぎ着けた。メニューは、ぶっかけうどん(並)240円~、かけうどん(並)280円~と価格を抑えた。トッピングには、温泉卵(80円)、かき揚げ(100円)などを用意。
看板メニューの「伊勢えびうどん」(800円)は、片山さん秘伝のレシピで手打ちうどんと絡めるとおいしくなるよう何度も試食して完成させたという。
山下さんは「三重県の企業の障害者雇用率は全国ワースト2。この間まではワースト1と最悪だった。実際に障害者の賃金は非常に低い。できる仕事を与えれば彼らは健常者に負けることなく仕事をこなす。このビジネスモデルが成功して全国各地でまねしてくれれば障害者の雇用につながる。どんどんまねしてほしい」と話す。
「近鉄宇治山田駅からすぐの立地なので観光客の人に食べてもらいたい。『伊勢えびうどん』が『伊勢うどん』に対抗するうどんとして認知されれば。まずは食べてほしい」と山下さんの夢は大きい。
試食した鈴木健一伊勢市長は「手打ちうどんならではのコシがあり、濃厚な伊勢エビのスープとマッチしてとてもおいしかった。民間の人がこのような取り組みをしてくれてとてもありがたい。市としてもできる限りの協力をしたい」とサポートを約束した。
営業時間は10時~18時。水曜定休。