伊勢神宮125社の中で最も新しい1社で別宮として今年鎮座91年目を迎えた倭姫命(やまとひめのみこと)を祭る倭姫宮(伊勢市楠部町)で11月5日、秋の例大祭が行われた。
伊勢のソプラノ歌手・廣めぐみさんと津軽三味線奏者の黒澤博幸さんによる「倭姫命」
倭姫命は第11代垂仁天皇の皇女で紀元前4年ごろ、天照大神(あまてらすおおみかみ)の「御杖代(みつえしろ)」(神や天皇の杖代わりとなって奉仕する人)として、天照大神を祭る安住の地を求めて全国を旅し、今の伊勢神宮のある伊勢の地に神宮を建てた。
倭姫命はその後、神嘗祭(かんなめさい)をはじめ年中の祭りを定め、神田や神社の場所を選定するなど、さまざまなことを確立し伊勢神宮の基礎を作りあげた。倭姫宮御杖代講奉賛会(事務局=多気郡明和町、TEL 0596-55-2309)は、毎年5月と11月の5日を春と秋の例大祭として開催。多くの人に倭姫命の功績を知らしめようとホームページを作成するなどPR活動も行う。
この日は、高城治延少宮司はじめ各界の代表者らが参列する中、神宮祭典、舞姫たちによる神宮舞楽があり、神宮徴古館(同)前では、野点でや特設ステージでの音楽の奉納演奏などがあった。
ステージでは、伊勢のソプラノ歌手・廣めぐみさんと津軽三味線奏者の黒澤博幸さんによる、倭姫命のことを思って作った曲「倭姫命」や、黒澤さんの津軽三味線、岡山市を中心に全国の神社などで演奏活動を行う音薬師RON(ロン)による天照大神を歌った「母の唄」などが奉納演奏された。そのほか伊勢音頭の会による伊勢音頭の披露もあった。
今回の例大祭での演奏が5回目になる黒澤さんは「今年の10月に『倭姫命』をCDリリースすることができた。全国のステージで『倭姫命』を披露するが、まだまだ知られていない。このCDを聞いてもらうことで多くの人に倭姫さまの存在を知っていただきたい」と話す。山中隆雄奉賛会会長も「倭姫さまは伊勢の母です。倭姫さまのおかげで、伊勢の地に神宮がある。倭姫さまを讃え、さらに多くの人に倭姫命さまの功績を知っていただき、倭姫宮に足を運んでいただきたい」と熱く語りかけた。