海上自衛隊は2月1日~8日、松阪港(松阪市)を拠点にして伊勢市から松阪市までの伊勢湾上約10キロ沖で、掃海艇23隻、隊員約1200人による大規模機雷除去訓練を実施している。
「機雷」とは機械水雷の略で、船が接触するだけで爆発する触発機雷、船の磁気や音、水圧などに感知し爆発する感応機雷などの種類があり、敵国の海域に敷設したり防衛のため自国領土の海域に敷設したりする兵器のことをいう。
「掃海艇」とは安全な航路確保を目的に機雷を除去するために作られた船で、感応機雷が感知しないように木やFRP製の船体、磁気を帯びないようにアルミ合金などを使ったエンジン、静音性のある電気モーターなどでできている。
湾岸戦争後のPKO(国際連合平和維持活動)で「ペルシャ湾掃海派遣部隊」が編成され(1991年6月5日~9月11日)自衛隊初の海外実任務派遣となって活動した「湾岸の夜明け作戦」では、34個の機雷処分を遂行し国際貢献を行った。
現在伊勢湾には、海自が持つ掃海艇29隻のうち23隻(掃海母艦2隻、掃海艦3隻、掃海艇16隻、掃海管制艇2隻)が集結(内21隻が木製、2隻がFRP製)。訓練では、陸上自衛隊明野駐屯地(伊勢市明野)からのヘリコプターによる発着艦訓練や、掃海母艦「うらが」(5650トン)からダイバーをヘリコプターに乗せ、上空から海に潜水し機雷を除去するヘロキャスティングなどが行われている。
8日には、松阪港の中央埠頭(ふとう)で掃海艇「やえやま」「ゆげしま」「なおしま」の一般公開が行われる。公開時間は9時~11時30分、13時~16時。問い合わせは、自衛隊三重地方協力本部(津市、TEL 059-225-0531)まで。