伊勢にある山の一部が透け透けに透け、半透明になっている。20年に一度の式年遷宮が伊勢神宮125社全てで進められている伊勢で、一体どうしてなのか。
透け透けに透けたスケルトン状態の山は、伊勢神宮の祭典や神饌に使用する塩を作る「御塩浜」の近くで五十鈴川の河口沿いの道路(伊勢市二見町今一色)から南東方向に見た山だ。
標高555メートル伊勢志摩で最も高い山「朝熊岳(あさまだけ)・朝熊山」の手前にある標高216.8メートルの「昼川山・昼河山(ひるがやま)」の稜線(りょうせん)の端が透けている。
透け透けの山を発見した伊勢志摩経済新聞の記者は「写真は何度も現場に行き撮影しているが何度見ても透けているようにしか見えない。うそかどうか自身でその場所に行って確認してほしい。式年遷宮がまだまだ執り行われている伊勢神宮125社の神様が喜んでパワー全開なのかも…」と話す。
朝熊岳の山頂付近に立つ「金剛證寺(こんごうしょうじ)」(伊勢市朝熊町岳)は、伊勢神宮の奥の院または伊勢神宮の鬼門(北東=丑寅)を守る寺として昔から伝えられ、伊勢神宮内宮(ないくう)正殿の遷宮を終えた翌年、秘仏の本尊「福威智満虚空蔵大菩薩(ふくいちまんこくうぞうだいぼさつ」が特別に20年に一度だけ開帳される(今年10月1日~21日)。
同記者は「江戸時代には『お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り』と伊勢音頭の一節にもうたわれ伊勢神宮と共に同寺を参詣する風習があったが、今では伊勢神宮ばかりが注目され同寺を参拝する人はあまりいない。かつての風習が蔑(ないがし)ろにされているからかも…」とも。