昨年合歓の郷ホテル&リゾート(志摩市浜島町)の敷地内で開催された「伊勢志摩・里海トライアスロン」が7月6日、新たに規模を拡大し「大矢浜海水浴場」(同)をメーン会場に海岸沿いを走るコースに変更して開催された。
【関連画像】「伊勢志摩・里海トライアスロン」にシドニーオリンピック出場の福井英郎選手も
真珠発祥の海「英虞湾(あごわん)」を泳ぐスイム1500メートル(750メートル×2周回)、黒潮流れる太平洋を見ながら走るバイク40キロ(6.6キロ×6周回+0.4キロ)、かつての遠洋漁業で栄えた港町の中に作られた「ビン玉ロード」を走るラン10キロ(3.33キロ×3周回)の合計51.5キロのオリンピックディスタンス(ショートディスタンス)をメーンコースに設定。
カテゴリーは、ショートディスタンスの「スタンダード」(参加者=421人)とショートディスタンスの半分の距離(スイム0.75キロ、バイク20.2キロ、ラン5キロ)の「スプリント」(同=89人)の2種目に、3人が1組になって行うリレー「リレー・スタンダード」(同=54人)と「リレー・スプリント」(同=12人)の2種目。北海道から福岡県までの合計576人がエントリー。参加選手の年齢は15歳~75歳。
この日の天気は曇りで、暑くもなく爽やかな風が通る選手たちにとってベストコンディションな1日となった。スタンダードの部に招待選手として参加したシドニーオリンピック代表、2013年東京国体優勝者、トヨタ車体トライアスロン競技部所属の福井英郎さんと同部所属の遠藤樹(たつき)さん、日本食研実業団トライアスロン部所属の佐藤治伸さん、昨年の同大会優勝者の櫛田宣善(のぶよし)さんらが3種目ともレースを引っ張り大会を盛り上げた。
福井さんは「伊勢ならではの海浜のコースが気持よく、本土というよりは島に来たような雰囲気がありとても楽しくレースに参加できた。近年都市型のレースが注目されているが、トライアスロン運営の原点を感じたとても素晴らしい大会だった。ボランティアの人たちの献身的な協力も感動的で来年も是非参加したい」と感想を漏らす。
スタンダードリレーに参加した「吉本芸人チーム」のスイム担当の三久保隆一さん(トリプルスペイン)、バイク担当の西手隼人さん(十手リンジン)、ラン担当の宇野けんたろうさん(げんき~ず)の3人は18チーム中3位と健闘。バイク担当の三久保さんが6周でいいところを7周走るという芸人らしいボケで「あえて」笑いを取った!?。
今大会のスポンサーとして協力する井村屋グループ(津市高茶屋)の寺家(じけ)正昭社長は、自身も40歳からトライアスロンを始め20年間今でも現役だという。「この大会はロケーションが素晴らしい。スイムのコースは海でありながら防波堤に囲まれ波もなく安全で(選手たちにとっても)最高だと思う。自分もいつか(選手として)出てみたい」と笑顔で話す。
志摩スポーツコミッション(志摩市阿児町)代表理事を務め今大会実行委員長の柴原行正さんは「2020年の東京オリンピックの事前合宿地、2021年に開催される三重国体でのトライアスロン競技の開催地となるよう、将来を見据えて地域全体で取り組んでいきたい」。三重県トライアスロン協会会長で今大会実行副委員長の山田康晴さんは「三重県にはトライアスロンの大会が無かったので、これからも継続的に今大会を盛り上げていきたい。オリンピックや国体に地元から代表選手が出るような環境づくり、人材育成にも力を入れていきたい。来年には子どもたちが参加できる大会も合わせて開催していきたい」と意欲を見せる。
1位から3位までの記録は以下の通り(敬称略、かっこ内の時間は「合計、スイム、バイク、ラン」の順)。
スタンダードの部優勝は福井英郎(1時間54分28秒、17分54秒、58分57秒、35分14秒)、2位は佐藤治伸(1時間57分01秒、18分44秒、1時間01分、47秒、34分06秒)、3位は遠藤樹(2時間00分52秒、17分52秒、1時間05分13秒、35分35秒)、スプリントの部優勝は、水野泉之介(1時間05分40秒、10分07秒、32分47秒、20分08秒)、2位は蔭地和成(1時間10分43秒、14分56秒、32分37秒、19分31秒)、3位は坪井修一(1時間13分24秒、13分40秒、32分54秒、23分14秒)、スタンダードリレー優勝はChoose to Fight!!(2時間11分56秒、20分57秒、1時間05分56秒、41分19秒)、スプリントリレー優勝は、Cloud9(1時間09分34秒、15分14秒、32分30秒、18分23秒)。