鳥羽在住のグラフィックデザイナーで「指文字アーチスト」の遠藤美和さんが今年5月、自身のアトリエを隠れ家風カフェ「PRINK’M(プリンク・エム)」(鳥羽市鳥羽)にリニューアルし営業を始め、半年が経過した。
遠藤さんは、名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザインコースを卒業し、名古屋に本社がある印刷会社のデザイン企画室で6年間働いた後1997年、フリーデザイナーとして独立。個人デザイン事務所「PRINK’M」を立ち上げ現在は、名刺やチラシ、ロゴ看板などのデザイン・印刷を請け負っている一方、「指文字書家」「指文字アーチスト」としても活躍する。
自分の指に墨や塗料を直接付け、指を筆代わりにして作品をつくる「指文字」。指文字を始めたきっかけを遠藤さんは「3年前に請け負ったデザインの仕事で、意図に合う文字がなく既製にない書体を求めて、墨汁に割り箸やガラス棒などを浸した試行錯誤の結果、右手人差し指にたどり着いた。指で書いた所、いい感じの文字に仕上がったのが始まり」と説明する。
「みんながいつでも気軽に集まれる場所になれば」とカフェを併設した遠藤さん。同カフェでは、コーヒー、紅茶(以上300円)などのドリンク類や手作りケーキなどを提供するほか、遠藤さんが教える指文字教室、カラーセラピストの山本さゆりさんによるカラーセラピーやサンキャッチャー作りなどが体験できる。「今では近所の人たちが集まって楽しくお話してもらえるコミュニティーの場になっている。指文字アートがきっかけとなって多くの人と出会い、つながることができれば」と話す。
遠藤さんは「書道は『枠』の中で書くことを前提としているが、『指文字アート』は、上手くきれいに書くことが目的でないため、その時の心のままとらえた感情によって描く文字。『自由に枠からはみ出てもいいんだよ』『ちょっとはみ出たくらいがちょうどいい』ということを感じてもらいたい」と思いを込める。
営業時間は10時~16時。指文字教室は、月3回=5,000円(1ドリンク付き)。体験=2,000円。