伊勢出身の詩人「竹内浩三」をNHK BSハイビジョンで特集

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 宇治山田市(現在の伊勢市)出身の詩人「竹内浩三(たけうちこうぞう)」の生涯を再現ドラマとドキュメンタリーで紹介する番組が7月22日、NHK BSハイビジョン放送で放送された。タイトルは「ハイビジョン特集 シリーズ青春が終わった日 日本が見えない~戦時下の詩と夢・竹内浩三~」。

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 竹内浩三は1921年(大正10年)5月12日に同市生まれ、宇治山田中学時代に友人と回覧雑誌を製作、1940年(昭和15年)映画監督を夢見て日本大学専門部映画科に入学。1942年同中学校時代の友人らと「伊勢文学」を創刊。同年大学を繰り上げ卒業し、10月三重県久居町(現在の津市)の部隊に入隊、1943年茨城県西筑波飛行場に転属、1944年1月「筑波日記」を執筆、12月に切り込み隊員としてフィリピンへ出兵。翌年4月9日フィリピン、バギオ北方1052高地にて戦死、享年23歳。「愚の旗-竹内浩三作品集」「竹内浩三全集」「竹内浩三作品集」のほか、近年出版された「竹内浩三全作品集-日本が見えない」(2002年藤原書店)、「戦死やあわれ」(2003年岩波書店)などがある。

 番組では俳優の柄本佑さんが竹内役を演じ、23年間の青春時代に書いた竹内浩三の詩から読み取る竹内浩三の青春の思いと、その時代背景を再現するドラマや、母校の日大芸術学部映画学科の在学生と柄本さんが彼の足跡をたどり、自らの青春と重ね合わせるドキュメンタリーになっている。

 伊勢市での取材では、伊勢志摩フィルムコミッション(伊勢市二見町)がエキストラ24人で参加協力した。フィルムコミッションの斎藤猛さんは「地元の人もあまり知らない竹内浩三に光が当たることは時代が要求しているからでしょうか。偶然にも8月号の『伊勢人』(三重の文化誌)でも大きく竹内浩三が取り上げられるということを聞いて、まったく別なところで、しかも私たちが関知しないところで話題になっていることを知り、鳥肌が立った。さらに山田洋次監督80作目にあたる2008年正月映画『母べえ』(原作=野上照代さん、主演=吉永小百合さん)の製作発表でも、山田監督から竹内浩三の遺した『戦死やあわれ』が物語の元になっているというコメントがあったことにも驚いている」と話している。

 8月号で休刊が決定している「伊勢人」(8月1日発売)では約40ページの特集を組んでいるという。「『伊勢人』の発行で地元でも竹内浩三について知るきっかけが増えることになる。竹内浩三の生涯を映画化したいと山田監督も発言しているので是非実現するように地元でも機運が盛り上れば」(斎藤さん)とも。

 同番組はNHK BSハイビジョンで7月30日14時~15時30分に再放送も予定している。

NHK Bshi伊勢志摩フィルムコミッション伊勢人

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