桃山時代の装束に笛や太鼓の調べ昔ながらの「御田祭」 伊勢・猿田彦神社で

桃山時代の装束に笛や太鼓の調べ昔ながらの「御田祭」 伊勢・猿田彦神社で

桃山時代の装束に笛や太鼓の調べ昔ながらの「御田祭」 伊勢・猿田彦神社で

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 日本神話に登場するサルタヒコを祭る猿田彦神社(伊勢市宇治浦田)で5月5日、お田植え祭り「御田祭(おみた)」が行われた。

【その他の画像】桃山時代の衣装で田植え

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 昨年10月24日に本殿遷座祭を行い、本殿の修復と耐震化を終えた同神社。主祭神は猿田彦大神(サルタヒコオオカミ)と、現在の伊勢神宮の地を倭姫命(ヤマトヒメノミコト)に献上したとされる大田命(オオタノミコト)。サルタヒコは、日本神話「天孫降臨」でアマテラスの孫にあたるニニギを先導・道案内(みちひらき)した神様とされ、元々その地を治めていた神(国津神)。境内社には日本神話「岩屋伝説」で踊りを披露し、後にサルタヒコの妻となったとされる天宇受売命(アメノウズメノミコト)を祭る「佐瑠女(さるめ)神社」が立つ。

 五穀豊穣、大漁満足を祈願し、鎌倉時代から続くとされる同祭は、1971(昭和46)年に三重県の無形文化財に指定された。社殿裏にある約500平方メートルの神田では、8人の八乙女(やおとめ)がおはらい・祈願を受けた苗を、桃山時代の装束を着た楠部町の男8人女8人の植方(うえかた)により手植えされる。その間、囃方(はやしかた)が笛や太鼓による田楽を演奏する。

 植えられた稲は、うるち米(コシヒカリ)ともち米(カグラモチ)の2種類。毎年8月下旬に刈り取り、11月23日の伊勢神宮で行われる新嘗祭(にいなめさい)に初米を奉納する。うるち米は同神社猿田彦大神への毎日の神饌として、もち米は元旦の鏡餅として使用される。

 田植えが終わった神田中央には、恵比寿(大漁)と大黒(豊作)が描かれた長さ約3メートル、直径約1.15メートルの大うちわを持った植方2人がその年の豊漁、豊作を占う「団扇角力(うちわずもう)」が行われる。

 団扇角力が終わると「ハエーヤハエ、ハエーヤハエ」と掛け声をかけながら豊作を祈る「豊年踊り」が場所を移動し、同神社境内で行われる。最初の「ハエ」には「生える・早く大きくなれ」、後ろの「ハエ」には「栄える」という願いが込められているという。

 踊りが終わると団扇角力で使用したうちわを破る「団扇破り」が行われ、参列者らがうちわの紙片を奪い合う。うちわの紙片は、健康や火除けのお守りになるという。

 今年イタリア・ミラノで開催される「ミラノ国際博覧会(ミラノ万博)」の日本館で流されるスライドショーの中で、同祭の田楽、田植えの様子などが紹介される。

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