三重県の相可高校(多気町相可)生産経済科で学ぶ女子高生と万協製薬(五桂)が取り組んでいるスキンケア商品「まごころシリーズ」が順調に売り上げを伸ばしている。
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現在同シリーズは7アイテム。昨年は、肉まん・あんまんなどを販売する三重県の食品メーカー「井村屋」(津市)とコラボし、人気アイスクリーム「あずきバー」などで使う小豆の成分を使った「まごころ乳液 こまめ」(1,030円)を発売した。
そのほかに発売した同シリーズラインアップは、「まごころteaハンドジェル(通称=まごジェル)」(600円)、「まごころteaリップ(同まごリップ)」(430円)、「まごころhoneyクリーム(同まごクリ)」(1,030円)、日焼け止め乳液「まごころBBミルク(ファンデーション入り)」「まごころSPミルク」(以上600円) 「まごころ化粧水 希(同まご水)」(1,030円)。
同社は、毎年3月末までの年度ごとの売り上げを集計し、売り上げの3%分に当たる同シリーズ商品を、同女子高生たちが自主的に活動するNPO法人「植える美ing(ウエルビーイング)」に寄付している。5月7日の放課後、同校校長室でその売り上げロイヤルティー(分に当たる商品)の贈呈式が行われた。
これまでの販売数と売り上げ金額は、2010(初)年度=1156個、113万2,880円、2011年度=6万502個、2481万7,885円、2012年度=8万5688個、4927万9,060円、2013年度=1万3497個、938万2,680円、2014年度=5081個、326万2,890円、5年分の合計は総販売数16万5924個、総売り上げ金額8787万5,395円。総ロイヤルティー金額187万6,175円(近江兄弟社販売分や消費税率の変更に伴う小売り価格の変更などにより単純計算はできない)。
同NPO理事長で同校3年の亀田幸菜さんは「万協製薬さんから寄付していただいた商品を使って、おじいさんやおばあさんにハンドマッサージをさせていただいている。みんなとても喜んでくれるのでうれしい」と笑顔で話す。「現在『ボディージェル』を開発中。たくさんの人に使ってもらえるようにみんなで話し合っているところ」とも。
同校の藤田曜久(てるひさ)校長は「生徒たちに話を聞くと、現在売り上げが伸び悩んでいるという。教育現場では売れることを前提として考えるだけだが、マイナス要因が発生した時にどう対処するか、など通常の高校生では体験できない機会を与えていただけるなど、万協製薬さんには心から感謝している。学校としてもさらに応援していきたい」とエールを送る。
同社で同シリーズの開発を担当する森下健さんは「地域社会に貢献することは当社の理念。今後も毎年1アイテム以上の商品を生み出していきたい」と話す。
「植える美ing」は1996年、三重県下初の高校生によるNPO法人として設立され、園芸がもたらすさまざまな効果を福祉に役立てようと、「園芸福祉」を主に事業を展開する。理事長をはじめ社員のほとんどが高校生。万協製薬は1960(昭和35)年、兵庫県神戸市長田区内で創業したが1995年1月17日の阪神淡路大震災で全てを失い、翌1996年、同町に本社・新工場を移転。外用薬・スキンケア商品専門の薬品メーカー。
同シリーズの商品は、同社のネットショップでも扱う。