2人の女性トラベルブロガーが南北2つのルートからスタートし、新潟県糸魚川市を目指しながら日本の隠れた魅力を海外に発信するプロジェクト「We Love Japan Tour 2015」(主催=NPO・The KOTOBUKI Society)の一環で10月21日、エマ・パーカーさんが志摩市を訪れた。
【その他の画像】志摩市のかつお節のいぶし小屋を見学するエマ・パーカーさん
同プロジェクトは、東日本大震災発生後に「危険な国」と間違った情報が日本にいる外国人や海外の人に伝わり、日本から外国人がいなくなったことを憂いた同NPOのトーマス・コーラさんが、日本は安全であることを伝えるために日本を歩いて縦断した「Walking through Japan」がきっかけ。その時知った日本の魅力をさらに発信しようと行うもので、2013年に引き続き今回が2回目となる。
NPOメンバーのステファン・シャウエッカーさんが運営し、月間160万人以上の訪問者(2015年5月現在)を持つ外国語で日本を紹介する「japan-guide.com」内に同プロジェクトの様子を紹介し、多くの外国人に発信する。日本の知られざる31の隠れた魅力(Hidden Beauty)とその体験をブログで紹介し、ツアーの最後に「隠れた魅力大賞2015」を決定する。
日本でフリーの翻訳家として活動するパーカーさん(40)はケンブリッジ大を卒業後、1995年に来日。10月1日に沖縄を出発し、宮崎、大分、佐賀、福岡、山口、島根、香川、徳島、和歌山を訪れ志摩市に入った。23日からは京都、石川、富山と旅し新潟のゴールを目指す。
この日の早朝、パーカーさんは伊勢エビ漁でにぎわう和具漁港(志摩町)を訪れ伊勢エビを網から取り外す作業を見学。その後、「志摩自然学校」(同)が行う「灯台もと暮らし味わいさんぽ」大王崎コースに参加しウオーキングを楽しみながら、昔ながらの製法で作る「かつおの天ぱく」のかつお節のいぶし小屋(大王町波切)を見学したり、「アジサイ寺」として知られる大慈寺(同)を訪れ座禅を体験したりした。
いぶし小屋では、煙が立つ小屋の中でカツオをいぶすまでの工程やカビ付け作業などのを見学。説明を聞きながら流ちょうな日本語で質問し、持参したデジカメで撮影していた。白いご飯にかつお節としょうゆだけを垂らしたご飯を試食すると「とてもおいしい」と笑顔に。「(チーズなどにはあるが)カビの付いた魚を食べる食文化は海外にはないので面白い。日本の隠された魅力をもっと紹介していきたい」と意欲を見せた。