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食べもの付き情報誌「伊勢志摩食べる通信」 創刊号は「伊勢エビ」

食べもの付き情報誌「伊勢志摩食べる通信」 創刊号は「伊勢エビ」(「伊勢志摩食べる通信」の竹内千尋さん(左)と「東北食べる通信」の高橋博之さん(右))

食べもの付き情報誌「伊勢志摩食べる通信」 創刊号は「伊勢エビ」(「伊勢志摩食べる通信」の竹内千尋さん(左)と「東北食べる通信」の高橋博之さん(右))

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 生産者を特集する情報誌と、その生産者が手掛ける食べ物をセットにして届ける「食べる通信」の伊勢志摩版「伊勢志摩食べる通信」が現在、12月の創刊を目指して準備を進めている。

【その他の画像】「東北食べる通信」を始めたの高橋博之代表理事が伊勢志摩に

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 「食べる通信」は、2013年7月に「東北食べる通信」から始まった「食べもの付き情報誌」。作る人と食べる人、農山漁村と都市をつないで食の常識を変えていくことを目的に、「世直しは、食直し」をコンセプトに展開し、その活動は全国へ広がりを見せている。

 これまで、東北、四国、東松島、神奈川、新潟、山形、下北半島、ふくしま、築地、加賀能登、北海道、兵庫、綾里漁協、そうま、くまもと、長島大陸、魚沼の17地域で創刊され、伊勢志摩を含む6地域が創刊準備中(10月27日現在)。

 「伊勢志摩食べる通信」の編集長を務める竹内千尋さんは「統計局のデータによると、志摩市内の漁業者は2008年には2897人いたが、2013年には2143人に減少。年間150人が竿(さお)や網を置き漁業から離れ、2018年には2000人を切るともいわれている。そのうちの85%以上は65歳以上と、後継者不足を露呈している。かつて御食国(みけつくに)とよばれ朝廷に食材を納めてきた地域の漁業が、このままでは高齢化など複合的な問題が重なり、次代に受け継いでいくことができなくなっていく」と警笛を鳴らす。

 「東北食べる通信」を始めたNPO法人「東北開墾」(岩手県花巻市)の高橋博之代表理事は「世界は合理性と損か得かの選択でできてしまった。その結果、農山漁村と都市の間に大きな格差が生まれ、今や地方は存続の危機を迎えている。そこで、生産者と消費者(購読者)を結び付ける仕組みとして『食べる通信』が生まれた。生産者はダイレクトに消費者の喜ぶ姿を見ることでやりがいと販売につなげ、購読者は安心と安全とおいしさと目に見えない心の豊かさを手に入れることができる」と話す。

 創刊号は「伊勢エビ」を特集。伊勢エビ漁に密着し、漁の方法や調理の仕方などを紹介し、伊勢エビ1匹をセットにして送る。そのほか、春は生産量日本一のアオサや初カツオ、夏は海女の取るアワビや昭和天皇も召し上がったことがある南張メロン、秋は海女のおやつの隼人芋を煮て干したキンコイモ、冬は天然の「あのりふぐ」や「的矢かき」などを予定。竹内さんは「これまで目に見えなかった、いい意味での生産者の裏側に迫りたい。購読者限定の産地ツアーなども計画する」と意気込む。

 隔月発行、B4判16ページ。購読料は3,980円。創刊号の申し込みはホームページで受け付けている。

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