ANAホールディングス(東京都港区)と三重県は11月16日、来年5月に行われる主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」を契機に地方創生に向けた取り組みをより加速させるために、包括的な連携と協力に関する覚書を結んだ。
津都ホテル(津市)で行われた締結式には、同社社長の片野坂真哉さんと三重県知事の鈴木英敬さんが出席した。
当面の取り組みとして、同社が2013年9月から手掛ける日本各地の魅力を紹介する「Tastes of JAPAN by ANA」において、今年12月1日から来年2月29日までの期間で三重県を特集することが決まった(ほかに愛知県、岐阜県も)。
具体的には、松阪牛やマハタ、ブリなど県産の食材を使った料理を機内や空港ラウンジで提供。成田空港、関西空港の国際線ANAラウンジの「國酒」コーナーで県産の日本酒14蔵14銘柄(成田12、関西2)を置く。
国内線(一部短時間路線除く)の有料サービスでは鈴鹿のハナビラタケを使った「花びらたけの三重奏スープ(チーズパン付き)」(500円)を提供する。機内で流す映像番組「SKY EYE~空からのメッセージ~」も三重県を特集し、ドローンで撮影した伊勢志摩の美しい風景・伊勢神宮や海女、鈴鹿サーキット、名物・特産品などを映像で紹介。機内誌「翼の王国」2月号では志摩市と鳥羽市の伊勢エビを特集し、同社通販サイト「ANAショッピングA-syle」でも三重県の特産品を販売する。
広域伊勢志摩圏内からは、若松屋(伊勢市河崎)の「伊勢はんぺい」、北村物産(同東大淀町)の「アラメ・アオサノリ」、マサヤ(度会郡南伊勢町)の「でこたんようかん」、河武醸造(多気郡多気町)の「鉾杉(ほこすぎ)弓形穂しずく純米吟醸酒」が選ばれた。
片野坂さんは「サミットが開催されることを契機に徹底的に三重県をPRしていく。観光と食と人づくりにおいて連携・協力して盛り上げたい」。鈴木さんは「マハタは、三重県水産研究所尾鷲水産研究室(尾鷲市)が全国で初めて稚魚の量産に成功させた県としても思い入れのある食材。ハナビラダケも注目されている。伊賀米は特Aクラスのおコメでとてもおいしい。三重県の知名度が高まることは間違いない」と自信を見せる。