志摩市(旧志摩郡)志摩町出身のフォークシンガーで、生前は故・高田渡さんや加川良さん、細野晴臣さんらとも親交が厚かった故・西岡恭蔵さんのメモリアルコンサートを開催しようと9月13日、同級生らが中心となり実行委員会「プカプカ志摩」(事務局TEL 0599-85-2101)が設立され、1回目の会議が開かれた。
西岡恭蔵さん(1948年5月7日~1999年4月3日)は、大塚まさじさんが経営する喫茶店「ディラン」(大阪・難波)の常連で、喫茶店に集まる西岡さん、永井洋さんと大塚さんの3人で1970年にフォークグループ「ザ・ディラン」を結成、フォークシンガーへの道を歩み出すきっかけとなる。その後拠点を東京に移し、1972年ファーストアルバム「ディランにて」でソロデビュー。1974年セカンドアルバム「街行き村行き」、1975年サードアルバム「ろっか・ばい・まい・べいびい」、1976年「南米旅行」、1978年「Yoh-Sollo (ヨー・ソロ)」、1981年「New York to Jam(ニューヨーク・トゥー・ジャマイカ)」、1990年「スタート」、1997未完成の遺作アルバム「Farewell Song(フェアウェル・ソング)」などを発表。「象狂象」というペンネームで矢沢永吉さんに詩を提供するなど多くのアーティストにも曲を提供した。代表曲「プカプカ」は桑田佳祐さんや奥田民生さん、福山雅治さんら多くのミュージシャンがカバーしている。愛称は象(ぞう)さん。
同実行委員会は、志摩市出身で有名なフォークシンガーであるにもかかわらず地元ではあまり知られていないこと、西岡さんの歌に捧げた思いを多くの人に知ってもらい曲を聞いてもらうきっかけになればと、「西岡恭蔵メモリアルコンサート(仮)」の地元開催を企画するため設立された。メンバーは中学、高校の同級生が中心で、実行委員長には西岡さんの高校時代の同級生で一緒にバンド演奏もしたことがある浜口三代和さんが選ばれた。メンバーには大阪で開催されていたフォークコンサート「春一番」に西岡さんのバックで演奏した経験を持つ二胡奏者の剱山啓助さんも。
浜口さんは「地元にこんなすごい人がいたこと、曲を通していつまでも恭蔵が生き続けていることを地元はもちろん多くの人に知ってもらいたい」と話している。「ザ・ディラン」で活動を共にしていた大塚まさじさんにも協力を依頼しているとも。
その大塚さんは西岡さんについて「象さんは私より2つ先輩で面倒見がよく、とてもピュアな人だった。よく志摩にも遊びに連れて行ってもらったがその時、志摩の風土があの人柄を作ったんだと感じた。どんなに社会情勢が変わろうと終始、ラブアンドピース、愛がどれだけ大事かを訴えていた。最後のアルバムになった『Farewell Song』はそのことがよくわかるすばらしいアルバム」と回想する。
コンサートは来年2月または3月の開催を予定。実行委員会では運営メンバー、当日のボランティアスタッフなども募集している。