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全国高専プロコン、最優秀賞に鳥羽商船のドローン使った防災システム

全国高専プロコン、最優秀賞に鳥羽商船のドローン使った防災システム

全国高専プロコン、最優秀賞に鳥羽商船のドローン使った防災システム

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 鳥羽商船高等専門学校(鳥羽市池上町)制御情報工学科の学生が開発した、ドローンを用いた防災減災地図作成システム「みつばちず」が、「全国高等専門学校第27回プログラミングコンテスト」(通称=プロコン)自由部門で文部科学大臣賞・最優秀賞を受賞した。

【その他の画像】全国高等専門学校第27回プログラミングコンテストの様子

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 高等専門学校連合会(東京都千代田区)主催の同コンテストは、情報処理技術の向上、教員・学生の交流、高等専門学校のPRなどを目的に1990年から毎年行われている。本年度は鳥羽商船高等専門学校が主管し、10月8日・9日に伊勢市観光文化会館(伊勢市岩渕)で開催された。

 コンテストは、課題部門に55チームがエントリーし21チーム(シンガポール1含む)、自由部門には55チームがエントリーし21チーム(タイ1含む)、競技部門に66チーム(ハノイ、モンゴル、香港とペトロナス工科大学、豊橋技術科学大学の5チーム含む)の108チームが決勝大会に臨んだ。

 競技部門の優勝は、「一致百慮」チーム・弓削商船高等専門学校(愛媛県越智郡)、準優勝は「すてきなゆりかもめ」チーム・東京工業高等専門学校(東京都八王子市)、3位は「パズル(物理)」チーム・和歌山工業高等専門学校(和歌山県御坊市)。課題部門の最優秀賞は「リアルタイムに選手とシンクロするスポーツ観戦システム」東京工業高等専門学校、優秀賞は「Knee’s Needs-英姿颯走-」弓削商船高等専門学校。自由部門の優秀賞は「うぇーぶ!-Water Music Entertain-」久留米高等専門学校(福岡県久留米市)。

 「みつばちず」はドローンを使って高齢者でも簡単に使えるように開発し、防災・減災マップを作成するシステム。災害時は情報の共有化を図るツールとして役立てようとするもの。チームメンバーは、リーダーの服部魁人(かいと)さん(4年)、高嶋大和さん、杉野寿輝さん、濱口祐輝さん(以上5年)、河口祭さん(3年)、担当教員=中井一文さん。

 「みつばちず」を開発したリーダーの服部さんは「このような賞を頂くことができてとてもうれしい。審査員にもシステムの魅力、重要性を伝えることができた。今回のコンテストが最終目標ではなく実際の地域の防災減災に役立てるために作ってきたので、これからも地域に住む人たちと協力し、改良を重ねて、ほかの地域にも普及させていきたい」と意気込む。

 「みつばちず」開発の助言を行い、伊勢市や志摩市などで実際に同校学生たちと一緒に住民の声を聞き活動し、防災・減災について研究する愛知県立大学(愛知県名古屋市)看護学部教授の清水宣明さんは「彼らの強みは、地に足が着いていること。今、何が必要とされているのか、どういう機能があれば地域の役に立てるかが分かっているということ。もちろん、優秀なプログラミング技術は必要だが、それだけでは人の心に響かない。彼らが開発するアプリには『心』があるということ。彼らは勝つためにやっていないということ」と評価する。

 「みつばちず」は、情報処理学会若手奨励賞、NAPROCK PROCON2016 Grand Prize、東芝ソリューション企業賞も受賞。

 自由部門にエントリーした同校の「HOME・LOG-鏡でつながる家族の絆-」は、トヨタコミュニケーションシステム企業賞を受賞。開発リーダーの3年浜口実弓さんは「企業賞をもらえて、主管校としてプロコン設営に協力してくれた当校の友達や先輩に少しでも恩返しできたかと思う。個人的には悔しい気持ちで終わったが、参加しリーダーの大変さを経験することができて本当に良かった。一緒に頑張ってくれたチームメンバーに感謝」と笑顔で話す。

 競技部門に参加した同校の「田男(でんまん)」チームは準決勝で敗退した。

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