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伊勢の「旅荘 海の蝶」の調理場8人全員が松山学院高卒に 新人入社で

伊勢の「旅荘 海の蝶」の調理場8人全員が松山学院高卒に 新人入社で

伊勢の「旅荘 海の蝶」の調理場8人全員が松山学院高卒に 新人入社で

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 宿泊施設「旅荘 海の蝶」(伊勢市二見町)を運営するアンドリゾート(同)が4月1日、グループ施設合同の入社式を行った。

【その他の画像】旅荘 海の蝶で入社式

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 兵庫県出身の立花和貴さんと大阪府出身の安藤直斗さん、愛媛県出身の有馬圭人さん(海の蝶配属)、沖縄県出身の苅田琉翔さんと三重県出身の山本優さん(グランオーシャン伊勢志摩配属)、鳥取県出身の梅津恋さん(万翠楼配属)の計6人が緊張した面持ちで入社式に臨んだ。

 1959(昭和34)年に和歌山県那智勝浦町で創業した同社は、三重県伊勢市に「旅荘 海の蝶」とグランピング施設「グランオーシャン伊勢志摩」のほか、和歌山県に「花いろどりの宿花游」「グランオーシャンリュクス海熊野」「パルスイン勝浦」、静岡県に「AKARI et KAORI」、鳥取県に「万翆楼」の計7つの宿泊施設を事業展開する。

 江口健一料理長を筆頭に「海の蝶」の調理人7人全員が松山学院高校の卒業生だったところに本年度、愛媛県出身の有馬圭人さんが調理部へ配属された。これで8人全員が愛媛県出身、松山学院高校調理科の卒業生になった。現在、伊勢の2施設では、正社員39人、パート従業員39人の計78人が働き、調理部以外に美化担当の女性1人も愛媛県松山学院高校の卒業生。

 1979(昭和54)年生まれ愛媛県松山市三津浜出身の江口料理長は、松山市の南中学校を卒業し、松山学院高校(旧城南高校)調理科で3年間学び、日本料理の道へ。岡山県倉敷市で4年、伊勢志摩ロイヤルホテル(現在グランドメルキュール伊勢志摩)の6年を含む大和リゾート系列のホテルで計15年勤めた後、海の蝶に入社。現在9年目を迎え、今年3月から総料理長兼常務執行役員になった。

 江口料理長は「調理人不足に悩まされたときに、母校の調理科の松田芳仁先生に相談したのがきっかけで、松山学院高から毎年、卒業生が入社してくれるような流れができた。厨房では愛媛弁も飛び交っている。ここで修業した子も他所で活躍している」と話す。

 有馬さんの先輩の金並(きんなみ)蓮さんと林昴さんは同級生同士で丸4年を料理人として過ごす。「ミスをして料理長から叱られた時は落ち込むが、もっとおいしい料理を作りたいと思い、料理人として覚悟を持って、今日まで続けてきた。我慢と根性は必要。負けない気持ちを持って、日々精進していってほしい。(料理長は)仕事を離れると優しいから安心して」と有馬さんにエールを送る。

 松山学院校の松田芳仁教諭は「親元を離れて寂しいとは思うが、料理の世界で頑張ってほしい。何年かの修業の後に立派な料理人となって母校へ凱旋(がいせん)してくれることを楽しみにしている」と話す。

 有馬さんは「昨日頂いた料理はとてもおいしく、こんな料理を早く作りたいと思った。早く一人前になれるように励みたい」と意気込みを見せる。

 江口料理長は「愛媛から伊勢に来て、伊勢神宮の神秘さ、自然の豊かさ、食材の豊富さなど、愛媛の瀬戸内海とはまた違った海の偉大さを感じている。3月3日にオープンキッチンを配した料理会場『結』が完成し、お客さまの反応を見ながら調理できる環境が整った。後輩たちには、伊勢志摩の素晴らしい環境の中で料理ができることに感謝し、人として、料理人として成長することを期待している」とも。

 新入社員は、入社式の前日に同施設に客として招待され宿泊。同施設の料理やサービスを体感した。入社式が終わると、敷地内にある伊勢神宮の摂社「粟皇子(あわみこ)神社」を参拝。その後、伊勢神宮外宮(げくう)内宮(ないくう)の神様に手を合わせ入社の報告を行った。

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