真珠養殖で盛んな英虞湾の中心に位置する賢島周辺で10月22日、「真珠祭り」が開催され、真珠関係者や観光客らでにぎわった。
同祭は、第57回真珠供養祭が賢島の円山公園(志摩市阿児町神明)にある真珠供養塔前で開催され、三重県真珠養殖連絡協議会の山本誠会長が祭主を務め、アコヤ貝の霊に感謝し、僧侶らの読経と共に真珠関係者ら約300人が焼香した。その後会場を海上に移し、竹内千尋志摩市長やミス伊勢志摩らが真珠約20万個(約90キロ)を海にまき、アコヤ貝約100個を放流した。
併せて、志摩市が真円真珠発明100周年を記念して、賢島にあった国立真珠研究センター内に1960年に建立され、その後センター廃止のため1979年に同市長沢運動公園に仮移設されていた「眞圓眞珠發明者頌徳碑(しんえんしんじゅはつめいしゃしょうとくひ)を同公園内に正式に移設し、同時に桜の苗木を植樹した。記念碑には西川藤吉先生、御木本幸吉翁、見瀬辰平先生と真円真珠の養殖技術を開発した3人の名前が正面に刻まれ、中央に真珠をイメージした球型に削られた大理石が配置されている。
竹内市長は「この地の今日の繁栄は『真珠』がもたらしてくれたもの。100年前に真珠養殖の研究に尽力した先人たちに感謝し、これからの真珠産業の発展のためにはアコヤ貝を育む海の環境を守らなければならない。きれいな真珠を生み出す海を再生していくことを誓う」とあいさつした。