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伊勢出身・橋本紡さんの最新小説「九つの、物語」-早くも増刷に
(2008年03月17日)
伊勢市出身の小説家=橋本紡(はしもとつむぐ)さんが3月5日に出版した小説「九つの、物語」(集英社)が、発売後1週間で早くも増刷され累計15,000部が刊行された。
橋本さんは、デビュー作のSF小説「猫目狩り」(メディアワークス)で第4回電撃ゲーム小説大賞(1997年)金賞を受賞。伊勢を舞台に描いた恋愛小説「半分の月がのぼる空」(同)では漫画化、テレビアニメ化、ドラマ化され話題を集めた。そのほか「流れ星が消えないうちに」(新潮社)、「ひかりをすくう」(光文社)、「彩乃ちゃんのお告げ」(講談社)などを執筆。
同書は、大学生の「ゆきな」と「兄・禎文」を中心に展開する9編の物語で構成され、それぞれの章に近代文学作品が登場する。1話=泉鏡花の「縷紅新草(るこうしんそう)」、2話=太宰治の「待つ」、3話=田山花袋の「蒲団」、4話=永井荷風の「あぢさゐ」、5話=内田百?(ひゃっけん)の「ノラや」、6話=井伏鱒二の「山椒魚(改変前)」、7話=井伏鱒二の「山椒魚(改変後)」、8話=樋口一葉の「わかれ道」、9話=サリンジャーの「コネティカットのひょこひょこおじさん」。各作品に主人公が、自分の気持ちを重ね合わせたり、何かヒントを得たりしながら物語が進行する。タイトルの「九つの、物語」は、9話に登場する作品も収められているJ・D・サリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」に由来するという。
伊勢の宇治山田高校(同市浦口)をモデルにした「高倉山高校」の図書館で主人公の母が働くために1年間、兄とふたりで伊勢に暮らす設定があり、その後ゆきなと兄がその図書館を訪ねるシーンが登場するなど、伊勢でのエピソードも盛り込まれている。
「力の限りを尽くした物語。恐らくは、ここ数年の間に僕が書いたものの中で、もっともいい作品の一つ」と橋本さんは自信を見せる。「決して堅苦しいものではなく、マニアのためのものでもなく、『本って難しくないんだよ』『楽しいもんだよ』と、多くの人が楽しめる物語を書いたつもり。本を愛する人、これから本を読み始める人に、読書という文化、あるいは行為の『入り口』になれれば」と話す。
さらに、橋本さんは「今、全国300校の学校図書館と組み、ひとつの話を作っている。『高倉山高校』はその話の主舞台であり、主人公はこの物語にも登場する『世古口律子』さん。要するに、ゆきなと禎文が高倉山高校を訪ねるシーンは、ふたつの作品でクロスオーバーされることになる」と新たな作品のストーリーについて、その一端を紹介してくれた。
アニメの舞台になった里山の再生活動に参加者続々(伊勢志摩経済新聞)橋本紡公式サイト集英社文芸サイト「レンザブロー」「半分の月がのぼる空」公式サイト
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