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三重県総合博物館で真珠テーマの企画展 5500年前の「縄文真珠」展示も

三重県総合博物館で真珠テーマの企画展 5500年前の「縄文真珠」の展示も(撮影=岩咲滋雨)

三重県総合博物館で真珠テーマの企画展 5500年前の「縄文真珠」の展示も(撮影=岩咲滋雨)

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 三重県総合博物館(津市一身田)で現在、第36回企画展「Pearls パール 海の宝石、神秘の輝き」を開いている。

【その他の画像】福井県若狭町鳥浜貝塚から出土した日本最古、約5500年前の「縄文真珠」

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 今年4月18日に開館10周年を迎えた同館。同展は10周年を記念した第1弾の催しで、養殖真珠発祥の地である三重県において、ジュエリーとしての真珠について生産地の環境への理解を深め、三重の豊かな自然や歴史・文化を保全・継承していく意識を高めるきっかけになればと企画。

 同展では、プロローグの「真珠とは」から始まり、福井県若狭町鳥浜貝塚から出土した日本最古の真珠として約5500年前の「縄文真珠」とも言われる「鳥浜パール」や江戸時代に長崎県大村湾で採取された「御喰出(おはみだ)しの真珠」などの第1章「日本の天然真珠、三重の真珠」、ペルシャ湾で採れた天然真珠で作られた宝飾品などの第2章「世界の天然真珠」、明治時代から始まった養殖真珠の生産により真珠の大きさや色、形がそろうことによる工芸品やジュエリーを紹介する第3章「養殖真珠の広がり」、真珠を育む三重の海、貝が元気に育つ環境をつくる人について紹介するエピローグ「真珠を育む海、真珠を育む人」の5章で構成する。展示資料約100点(内ジュエリー70点)。

 展示品には、昭和の大礼に際して1928(昭和3)年に三重県が天皇陛下に献上した1600個の真珠を散りばめた「瑞鳳扇」、前期展示(4月20日~5月19日)では「ミキモト真珠島 真珠博物館」(鳥羽市鳥羽)所蔵の1600年ごろに作られた聖母と幼子イエスを描いたイコン(聖画)覆う天然真珠などで装飾されたカバー「イコンとイコンカバー」、後期展示(5月21日~6月16日)では「徳川美術館」(愛知県名古屋市)所蔵の徳川家康所用で16世紀に作られた天然真珠141個を散りばめ金や銀で細工された「真珠貝玉箱」を展示する。

 「縄文真珠」は、長径15.6ミリ、短径14.5ミリ、厚さ10ミリの半球状で全体に結晶の層状構造が認められ淡水二枚貝の真珠と推定。第1章のメイン展示となっている。

 同館学芸員の太田光俊さんは「『瑞鳳扇』は皇居三の丸尚蔵館所蔵のものになるので、当時三重県が陛下に献上したものだが、三重県に『里帰り』して展示するのは初めて。エピローグでは第16回三重県真珠品評会で三重県知事賞、第48回全国真珠品評会で農林水産大臣賞を受賞した志摩市志摩町の山本太さんが作った最高品質の今の養殖真珠も展示した。貴重なジュエリーやさまざまな真珠を展示しているので、この機会に見に来ていただければ」と呼びかける。

 関連イベントとして、6月2日「真珠のネックレス制作体験」(応募締切日5月12日)、6月8日「はじめての真珠講座」(同5月18日)、6月15日記念講演会「クラフトマンから見る真珠装飾」(同5月25日)の開催を予定。現在、参加者を募集している。

 開催時間は9時~17時。月曜休館。観覧料は、一般=800円、大学生=480円、高校生以下無料。6月16日まで。

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