二見興玉神社(伊勢市二見町)に浮かぶ夫婦岩(めおといわ)の間から朝日が出ると勘違いしている人が毎年元日に大勢押し寄せ危険な状態となっていることから、伊勢市や伊勢市観光協会ではホームページ上で「夫婦岩の間から初日の出は出ない」と周知を呼びかけている。
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夫婦岩の間から朝日が出るのは、夏至を挟む前後2カ月間で、冬場となる1月1日は夫婦岩に向かって右側(南)の山の上からになる。しかしながら夏至のころの夫婦岩と朝日の印象が強いからか、勘違いする人が多く毎年元日の境内は同神社の参拝よりも初日の出を見るために大勢の人が集まっている。
伊勢市は安全確保のため、警備員を配置、警察官も待機し、元日の6時~8時、参道を一方通行にして規制するが、日の出時刻になると夫婦岩を通り過ぎた「禊橋(みそぎばし)」付近で人々が滞留し前にも後ろにも動けない状態で禊橋にびっしりと人の山ができ、橋の崩壊も心配するほどの状況になっている。
同協会専務理事の西村純一さんは「毎年注意喚起していても、勘違いする人が県内外から二見興玉神社に押し寄せる。参道は狭く片側は海。人が海に落ちたり、押し合って重大な事故になったりしかねない。近年、かなり危険な状態が続いている」と心配する。「初日の出を見るなら、伊勢志摩には素敵な場所はたくさんあるので事前にチェックして来ていただければ。伊勢神宮宇治橋前からの初日の出も素晴らしい」とも。
伊勢志摩からの「初日の出」スポットは、伊勢-鳥羽を結ぶ観光有料道路「伊勢志摩スカイライン」で上がることができる標高555メートルの朝熊(あさま)岳の「朝熊山頂展望台」。鳥羽-志摩を結ぶ観光道路「パールロード」の「鳥羽展望台」(鳥羽市国崎町)。「横山展望台」「安乗(あのり)灯台公園」(以上志摩市阿児町)など。南に面した太平洋岸沿いの海岸近くからなら天気が良ければ水平線からの初日の出を見ることができる。