丸く平らな餅の中にこし餡を包んで両面を軽く焼いて焼き色のついた伊勢の餅菓子「へんば餅」を製造販売する「へんばや商店」(伊勢市小俣町)が今年で創業250年を迎える。
【その他の画像】伊勢「へんば餅」のへんばや商店が創業250年
伊勢参宮街道最後の宿場町・小俣で1775年年に創業。江戸時代、伊勢神宮へ行くには宮川を渡らなければならず、「宮川の渡し」で船に乗り換えていた。その渡し場より先は伊勢の「神域」で一切の動物は立ち入り禁止となっていたため、旅人が乗ってきた馬もそこで降りなければならなかった。「へんば餅」の名前の由来は、馬を返した場所「返馬所(へんばじょ)」の近くで茶屋を営み、餅を提供していたことから「返馬餅」と言われるようになったと伝えられている。
「へんば餅」(10個入り900円)のほか、さわ餅(5個入り800円)、黒餅(1本500円)、赤飯(弁当500円)、餅(1升2,700円)、昆布のつくだに(1,000円)、夏季限定水ようかん(こし餡6個入り1,300円)、秋季限定水ようかん(ほうじ茶6個入り1,300円)、伊勢茶(茶葉80グラム400円)、伊勢茶(ティーバッグ6袋入り400円~)を、本店(小俣町明野)、宮川店(西豊浜町)、おはらい町店(宇治浦田)、伊勢市駅前店(本町)の直営4店舗で販売する(一部取り扱いのない店もある)。
創業250周年の企画として、直営4店舗の店舗型の箱入りの商品「へんば餅個包装7個入り」(1,000円)を限定販売。第1弾の新春企画として、「へんば餅」にまつわる思い出やエピソード「わたしのへんば餅」を募集する。最優秀賞には鳥羽国際ホテルの宿泊券やへんば餅型の特大クッションなどを贈る。第2弾の夏休み企画には直営4店舗を巡るスタンプラリー、第3弾の秋祭り企画にはへんば餅の歴史とこれからを紹介する企画展を4店舗で同時開催する。
奥野耕二郎社長は「安永4年に創業したことは分かっているが、何月何日というところまではわからない。50年前の200周年を祝った時の記録を元に、今年1年間を創業250周年として細やかな企画を行っていきたい。まずはへんば餅にまつわる思い出をお寄せいただければ。応募いただいた全員にへんば餅オリジナル手ぬぐいを参加賞として進呈する。へんば餅型の特大クッションも現在製作中」と話す。
「昨年4月1日、農業にも取り組もうと法人格『へんばや農園』を立ち上げた。赤飯やさわ餅で使うもち米や『伊勢たくあん』の材料となる伊勢の伝統野菜『御薗大根』などを自家栽培しようと準備を進めている。農業に取り組むことで本店周辺の自然環境も良くしていきたい」とも。
店舗型の箱入りの商品はそれぞれの店舗でしか販売しないため、4種類をそろえるには各店での購入が必要。「わたしのへんば餅」は400~800字のエピソードで、4月30日まで(当日消印有効)募集する。