千葉県の「太巻き祭りずし」、山口県の「岩国寿司(すし)」と志摩市の「手こね寿司」の夢の共演が6月29日、「日本郷土寿司交流フェア」で実現した。会場は阿児アリーナ(志摩市阿児町鵜方)。
同フェア開催は、「すし」研究の第一人者でもある名古屋経済大学短期大学部の日比野光敏教授が志摩の郷土寿司の「おんこ寿司」に興味を持ち、調査のため同市を訪れたのがきっかけ。その後、「手こね寿司」が農林水産省の「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれさらに大きく発展していった。「千葉伝統郷土料理研究会、じゃげな会の皆さんとの出会いが何より楽しかった」と志摩いそぶえ会の伊藤泰子会長。
同フェア第1部では、日比野教授の進行役で各地の郷土寿司についての生い立ちなどが説明され、第2部では100人以上の参加者が千葉の太巻き祭りずしを習い、実際に作ってみた。最後に、竹内千尋志摩市長の立会のもと、太巻き祭りずし・千葉伝統郷土料理研究会(龍崎英子さん)、岩国寿司・じゃげな会(嘉屋栄子さん)、手こね寿司・志摩いそぶえ会(伊藤泰子さん)の3者連名署名により「日本郷土寿司交流宣言」があり閉幕した。
「私たちは、それぞれの地域が持つ独自の自然風土、食材、食習慣や歴史文化などを背景にして生まれ育ちました。親から子へ、母から娘へ連綿と受け継がれてきた伝統料理である『郷土寿司』を未来に継承し、同じ志を持つ人たちの交流を通じて、さらに発展させていくことを宣言します」と同宣言文。
当日の意見交換会などから、「太巻き祭りずし」では千葉産のスダレを地元スダレメーカーと、「岩国寿司」では押し寿司用の木枠を地元森林組合と、それぞれタイアップしてできた「道具」の開発が、各郷土寿司発展の一端を担っていることを知った。
竹内市長は「さらに全国の郷土寿司が集う大会に発展させたい」と意欲を見せた。
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