二見・池の浦の飛島の美しい風景を眼下に望み、伊勢神宮125社のひとつ「粟皇子(あわみこ)神社」が敷地内にある「旅荘 海の蝶」(伊勢市二見町松下、TEL 0596-44-1050)プライベートビーチの砂浜の中に育つ桜が、満開になっている。
「海抜0メートルに咲く桜」の枝の間からは鳥羽商船学校の生徒が練習するヨットが浮かぶ。
この桜は、満潮時の海からは約2~3メートルの砂浜に育ち、波が高い時には根元まで波が打ち寄せる、海抜0メートルに生える桜。昨年、代々桜の種の保存活動をする16代目「桜守」で、日本さくらの会(東京都新宿区)の佐野藤右衛門副会長が同ホテルの桜の診断に訪れた際に、「よく育ったものだ」と感嘆したという。
同ホテル西村昭彦さんは「この地を桜の名所にしたいとの思いから2007年12月、興玉神社・片岡昭雄(てるお)宮司に『池の浦さくらの郷』と名付けていただいた。10年後、2カ月間楽しめる桜の名所になれば」と期待を寄せる。「波音が聞こえる海岸のそばにある『粟皇子神社』の周囲も桜で満開にしたい」とも。
同ホテルは、昨年同会から250本の桜の寄贈を受け、敷地内に、八重紅枝、河津桜、枝垂桜、手弱女、関山、松月、普賢象、子福桜、ウコン、衣笠、千原桜、房桜、一葉、虎の尾、日山大手、松前静香、楊貴妃などの種類の桜を植樹。「池の浦さくらの郷」として毎年期間限定で一般公開する。