英虞湾に浮かぶ間崎島の廃校で「さくら運動会」-賢島大学などが企画

かつて「宝石の島」といわれた真珠イカダ浮かぶ英虞湾の中央に位置する間崎島で島民あげての運動会が開催された。伊勢志摩国立公園を制定した石原円吉翁が植えた「円吉桜」が満開。

かつて「宝石の島」といわれた真珠イカダ浮かぶ英虞湾の中央に位置する間崎島で島民あげての運動会が開催された。伊勢志摩国立公園を制定した石原円吉翁が植えた「円吉桜」が満開。

  •  

 戦後初の国立公園として1946(昭和21)年に指定を受けた伊勢志摩国立公園内の中央・英虞湾に浮かぶ間崎(まさき)島」の廃校に4月5日、再び運動会の歓喜が響いた。

満開の「円吉桜」は廃校の校庭で覆い包みそうなほど満開に。間崎島「さくら運動会」で

 深い入り江と大小多数の島々からなるリアス式海岸で有名な英虞湾のちょうど真ん中に位置する離島「間崎島」は、1950年代に始まった養殖真珠全盛のころ、ラジオ、テレビ、電話の普及率で全国トップを占め、「宝石の島」と呼ばれたこともあった。

[広告]

 過疎化と、真珠産業の衰退により、現在の島民は159人(2008年6月現在)。かつてのにぎわいは所々に立つ島民の家並みから想像するにとどめる。2年前に間崎島小学校(和具小学校間崎分校)が廃校となり、同島出身の小学生は現在1人だけとなっている。

 昨夏、1959~1989年に多徳島(同市阿児町)に延べ10万人以上の参加者を集めた朝日新聞厚生文化事業団主催のアサヒキャンプOB・OGらが同島でキャンプを開催。春には「円吉桜」が満開になるから運動会を――とメンバー間で盛り上がり、伊勢志摩元気プロジェクト・バチャルコミュニティー大学の賢島大学(事務局=代々木高校、志摩市阿児町神明、TEL 0599-43-6177)のメンバーらとともに企画。今回、その廃校にかつてのにぎわいが再びわき起こった。

 運動会は、島民15人を合わせ約60人が参加。地元ならではの真珠の玉を箸と皿で順番に移していく「真珠玉リレー」、運動会に欠かせない紅白玉入れ合戦などを行った。

 同事業団大阪事務所の中村茂高さんは「初めは島のおじいちゃん、おばあちゃんも『いいわ、いいわ』と言っていたが参加してもらうと大いに盛り上がり、ムキになっていた(笑)。みんなが子どものころに戻った」と感想を漏らす。同キャンプOBでもある桃山学院大学の社会学部石田易司教授は「僕たちも、島民も、みんな集いたがっている。『間崎島』をネタにどんどん和を広げていきたい(笑)」と意欲を見せる。

 鳥羽市出身の御木本幸吉翁とともに伊勢志摩国立公園を作った志摩市出身の石原円吉翁が公園内を桜で満開に――と植樹した桜「円吉桜」が今、伊勢志摩のいたるところで満開を迎えている。「さくら運動会」は、1周100メートルしかない間崎小学校の運動場全体を覆う「円吉桜」がシンボルとなるように名付けた。

 3年前からシーカヤックで間崎島へ上陸するツアー「英虞湾シーカヤックフィッシングツアー」を実施する志摩自然学校(大王町波切)では、「円吉桜」が満開になるこの時期だけは「間崎島上陸 お花見ツーリング」に変身する人気のツアーとなっている。

伊勢志摩経済新聞VOTE

現在お住まいはどちらですか?