伊勢神宮内宮・五十鈴川(いすずがわ)に架かる全長101.8メートル、幅8.4メートル、橋脚39本は水に強いケヤキ材を使用し、渡り板616枚など橋脚以外はヒノキ材を使用する木造純和橋の宇治橋が10月27日、11月3日に執り行われる「宇治橋渡始式(わたりはじめしき)」を前にかぶせていたシートが取り外され、マスコミ関係者に公開された。
橋脚には水に強いケヤキ材、渡り板など橋脚以外はヒノキ材を使用する木造純和橋の宇治橋
宇治橋の竣工を祝い、橋の安全を祈念する「宇治橋渡始式」が11月3日10時から執り行われる。宇治橋の北側(向かって左手)2本目の柱に万度麻(まんどぬさ)と言われる橋の安全を祈願するお札の一種を納め、擬宝珠(ぎぼし)をかぶせると正式に宇治橋が完成する。
宇治橋の工事に携わり次回の架け替えの後継を担う佐藤玲さんは「お盆を目標に進めていた工事が雨の影響で、少しだけ作業が遅れたが予定通りに進んだ。先日の台風18号では覆っていたシートが破れ心配したが大事には至らなかった」と振り返る。
渡り始めには、地元伊勢市内から選ばれた渡女(わたりめ)が夫や子、孫を従えた三夫婦を先頭に、技監、技師、橋工、大宮司、少宮司ほか神宮関係者が並び、全国の供奉三夫婦(ぐぶのみふうふ)61組366人が新橋を渡る。渡始式には総勢1,000人が参列する。一般の参拝者の渡り始めは、式が終了する12時ごろから可能となる。
その後、16時から宇治橋渡始式架け替え奉祝委員会の主催による「国民総参宮」が、17時30分から奉納行事として神宮舞楽、東儀秀樹さんらによるコンサート、20時からちょうちん行列を予定する。
1989(平成元)年に行われた前回の渡始式には、当日だけで約13万人が新しい宇治橋を渡った。伊勢神宮への参拝者は毎年500万人以上、新しい橋も20年間で1億人以上を神域に渡すことになるだろう。