伊勢市神宮徴古館(じんぐうちょうこかん)では9月23日より、志摩市出身の洋画家「平賀亀祐」の特集展示を行う。
平賀画伯は1889年、志摩市志摩町片田に漁師の子として生まれ、画家を志し1906年に16歳で渡米した。その洋画家成功の第一歩になった渡米の年から今年がちょうど100年にあたるため、これを記念しての企画となった。
同画伯はアメリカで苦学の末、1925年に渡仏。当時最も権威のあった「ル・サロン」の金賞を日本人で初めて受賞。フランスでは「光の詩人」「壁の詩人」「速筆の名人」などと絶賛され、フランス政府よりも美術文化勲章を授与される。1955年、67歳で渡米してから50年ぶりに帰国。帰国後も志摩市浜島町のアトリエで意欲的な創作活動に精を出し、地元の風景画も数多く残す。1971年、パリの自宅で83歳で逝去した。勲三等旭日中綬章受賞。第1回三重県民功労者、旧浜島町名誉町民、旧志摩町名誉町民。
会場となる同館には平賀画伯の絵画44点、デッサン60点が収蔵されており、一部は常設展示されている。中にはピカソと並ぶキュービズムの巨匠ジョルジュ・ブラックによって作られた同画伯の胸像も展示されている。
同画伯を研究しているNPO「平賀亀祐探求委員会」の小川秀樹さんは、「芸術の都パリ、フランスで大成し日本人として初めてフランスで認められた画家がいながら、日本ではあまり知られていないことを残念に思う。できるだけ多くの人に画伯の事ことを知ってほしい」と話している。
特集展示は11月5日まで。入場料は、大人=300円、子ども=100円ほか。月曜休館。志摩市でも来年1月に「平賀亀祐展」の開催を予定している。