昨年の台風18号でも落ちなかった南伊勢町の「内瀬デコ」-今年も収穫

「内瀬デコ」(デコポン)の収穫をする萩原輝男さん。市場を通して2月の中旬ごろから販売が開始される。

「内瀬デコ」(デコポン)の収穫をする萩原輝男さん。市場を通して2月の中旬ごろから販売が開始される。

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 南伊勢町内瀬(ないぜ)地区で約100年続く萩原輝男さんのみかん農園「萩輝(はぎてる)」(度会郡南伊勢町内瀬、TEL 0599-65-3515)で1月25日・26日、「デコポン」の名で知られる「内瀬(ないぜ)デコ」の収穫が行われた。

台風18号の風で揺られて傷がついた「内瀬デコ」。受験生の合格のお守りに。

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 てっぺんがポコッと「デコ」があることから「デコポン」と命名され、その名が一般化しているが、「デコポン」は熊本県果実農業協同組合連合会の登録商標(1993年)。1972(昭和47)年に清見(きよみ)とポンカンを交配して誕生。品種名は「不知火(しらぬい)」。寒さに弱く栽培は難しい。外の皮は厚いがむきやすく、内の皮も柔らかくまた種もなく食べやすいのが特徴。

 萩原さんの不知火は「内瀬デコ」と命名、ほぼ伊勢志摩・三重県内だけで流通し、約5トンと生産量が少ないことから「出荷を待たずに販売が終了する」(萩原さん)ほどの人気だという。1月に収穫したものは熟成させ甘くし、2月中旬ごろから市場を通して出荷する。

 「内瀬デコ」の生産について、萩原さんは「これまで温州みかんと甘夏を生産していたが、甘夏に代わる何か新しい品種のかんきつ類を生産しようと考えていたとき、ふと20年前に家族で東京ディズニーランドに旅行に行った時の東京駅のフルーツショップで売られていた1個1,000円の『デコポン』を思い出した。高級品で価格変動が少なくおいしいみかんを――と妻とも意見が一致し、1996年から生産を開始した」と振り返る。

 「昨年は台風18号の影響ですごい風が吹いたが、幸い大きな被害はなかった。中にはそのときに揺られて傷がついたものもあるが、『落ちないデコ』として受験生の合格祈願のお守りになれば(笑)」とも。

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