自宅の庭に本物そっくりの「姫路城」再現-23分の1で忠実に

完成した姫路城・城内に腰掛ける城主の井村さん

完成した姫路城・城内に腰掛ける城主の井村さん

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 伊勢在住の井村裕保さん(伊勢市円座町)の個人宅に、本物そっくりの姫路城が完成した。

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 姫路城は井村さんの自宅の庭(約170平方メートル)に、ユネスコ世界遺産に登録されている「姫路城」を23分の1のスケールで再現した。天守閣までの高さは4.5メートル。基礎工事もコンクリートで仕上げ、見えないところに側溝を掘り、雨水が溜まらないように排水も計算されているという。屋根の部分はオリジナルの型枠で作ったFRP製。瓦の色や白壁の色、石垣の風合いにもこだわったほか、現存する姫路城にはない「西の丸-千姫御殿」や「本丸御殿」なども昔の文献を調べ再現している。城内に配置されている武士や馬の置物は、妻の郁子さんが焼いた陶作品。

 きっかけは井村さんが中学生の時。購入した少年誌に、きれいな城の写真とその城の立体図面の付録に感動したのが始まり。その時、大きくなったら自分の家の庭に「姫路城」を建てようと決意。夢を実現させようと、地元の不動産会社に、「近くに『民家がないこと』『電信柱がないこと』『山が見えること』の3つの条件」を提示し、「城建設用地」探しを依頼していた。定年を間近に控えた1985年、縮小した図面の製作からスタートし、1989年に現在の土地が見つかり購入。その後、こつこつと建設作業を行い2007年4月に完成した。材料費だけでも約1,800万円はかかったという。

 井村さんは「びっくりしたのは『幻の千姫御殿』といわれていた『西の丸』に関する資料がないため、想像で作ろうとしていた矢先に、西の丸に関する古文書が大分県で発見されたこと。方位についてはまったく意識していなかったが、完成間際に磁石で確認したら、ほぼ実物と同じ方角で建っていた」などのエピソードを披露してくれた。

 4月6日の「城(しろ)の日」に「ミニ姫路城完成記念」イベントを開催し、近隣住民や友人らとともに、「築城」完成を祝った。周辺に民家もあるためマナーを守ってもらえれば、見学には自由に応じている。「一言声をかけてもらえればうれしい」(西村さん)とも。

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