12月15日、夜の伊勢神宮外宮(げくう)の森の上空に、月の周りを七色に輝き何重にも重なる虹のような輪ができる自然現象が起こった。撮影に成功したのは、伊勢神宮を撮り続けるカメラマンKanKan(カンカン)さん。
20年に一度の神様の引越し=「遷御(せんぎょ)」を10月5日に終え、真新しくなった正宮は月明かりに照らされ神々しく輝いて見えた。この日の22時ごろ、新宮での最初の月次祭(つきなみさい)由貴夕大御饌(ゆきのゆうべのおおみけ)が、池田厚子祭主はじめ神職らによって厳かに執り行われた。
この日の天気は晴天で、空気が澄んで夜空に浮かぶ雲は月明かりで白く見えるほど。上空を通過する旅客機は飛行機雲を作り出していた。風は強く、神宮の木々をザワザワと揺らし続けた。
月光冠(または月光環)とも呼ばれるその自然現象は、池田祭主らが祭典を行おうと正殿に入った22時ごろから終了するまでの時間、上空に現れては消えての繰り返しを続け、七色の輝き放っていた。
神宮の最も重要な祭りとして、毎年6月と12月の月次祭と10月の「神嘗祭(かんなめさい)」を合わせて「三節祭(さんせつさい)」と呼ぶ。月次祭は、外宮で15日の22時と16日の2時の2回、アワビやタイなど豪華な食事を奉納する「由貴大御饌」、16日12時に皇室より送られた布などを奉納する「奉幣(ほうへい)の儀」が執り行われ、内宮でも同様に16日の22時と17日の2時の2回の「由貴大御饌祭」、17日12時「奉幣の儀」が繰り返され、同25日までの期間に全ての神社で同様の祭典を執り行う。