華道家元池坊が4月4日、東日本大震災被災者への祈りを込めた生け花を伊勢神宮に奉納した。
献華祭は、全国の会員の中から選ばれた今里鶴声(かくせい)さん(佐世保橘会支部)と荒尾仁子(ひとこ)さん(岡山中央支部)の2人の教授者が、伊勢神宮参集殿能舞台で紅桃と白桃一対の生花(しょうか)を生けた。その後、献華奉仕者一行が列をなし生花を神楽殿に奉納した。
今年で66回を数える「伊勢神宮献華祭(けんげさい)」は毎年4月4日に執り行われる。紫雲山頂法寺(京都市中央区)「六角堂」を発祥として生まれた生け花は、もともと仏前への「供花」「祈りの花」がルーツ。池坊はその六角堂で室町時代中期に誕生した。
同総務所事務総長の池坊雅史さんは「今回、献華奉仕者のお二人はいろいろな思いを持ちながら生けたと思う。生け花は応仁(おうにん)の乱以来、仏前供花が基本。華道家は花を生けることしかできないので、東日本大震災被災者の方々へ一日も早い復興を祈り、思いを花に込めて生けさせていただいた」とコメントする。