伊勢神宮の鬼門を守る寺「金剛證寺」開山忌「岳参り」に大勢の参詣客

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伊勢神宮の鬼門を守る寺「金剛證寺」開山忌「岳参り」に大勢の参詣客

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 伊勢神宮の奥の院または伊勢神宮の鬼門(北東=丑寅)を守る寺として昔から伝えられる「金剛證寺(こんごうしょうじ)」(伊勢市朝熊町岳)を再興した仏地(東岳文昱)禅師の命日(6月29日)を祭る開山忌が6月27日~29日、同寺で開催されている。

塔婆が立つ参道には鳥羽一郎さん、山川豊さんの名前のある塔婆も

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 同寺は、第29代欽明天皇(539~571)のころ、暁台上人によって標高555メートルの朝熊岳(あさまだけ)山上に開かれた。825年(平安時代)に弘法大師(空海)が密教修業の大道場として中興するが、その後衰退し1392年、鎌倉建長寺71世の仏地禅師が再興した。現在は真言宗から臨済宗南禅寺派に改宗。本尊は秘仏の「福威智満虚空蔵大菩薩(ふくいちまんこくうぞうだいぼさつ)」、伊勢神宮遷宮の翌年の2014年に20年に一度の開帳を行う。

 毎年開山忌に合わせて、この1年に亡くなった親族や先祖の塔婆(とうば)供養に多くの人が同寺に参詣する。伊勢志摩地域では昔から「岳参り」と呼び、宗派を問わず葬儀の後、同寺奥の院に塔婆を立て供養する。地元では「たけさん」と親しみを込めて呼ぶ。

 「朝熊」はアイヌ語で「日が出てキラキラと光り輝く神」「太陽」を意味する言葉で、近年のパワースポットブームから注目され、夏至の日前後のこの時期に鹿島神宮(茨城県)から昇った朝日が、皇居、明治神宮(東京都)、富士山(静岡県)、豊川稲荷(愛知県)「二見夫婦岩」「朝熊岳」「伊勢神宮」、高野山(和歌山県)、高千穂(宮崎県)を結ぶレイラインとして研究する人たちも増えている。

 開山忌初日の天気は早朝から雨が降っていたが、三重交通は臨時バスを出し大勢の参拝者を運んだ。同寺奥の院「呑海院(どんかいいん)」までの参道には大小さまざまな塔婆が立ち、鳥羽市出身の歌手で兄弟の鳥羽一郎、山川豊の名前が書かれた真新しい塔婆もあった。親族らは先祖の霊を祭る塔婆の前で手を合わせていた。この時期に合わせて白い花を咲かせるヤマボウシ(山法師)が、奥の院の屋根の上でかれんな花を咲かせていた。

 開山忌期間中、有料道路の伊勢志摩スカイラインの開門時間は、28日=5時~20時、29日=6時~20時。三重交通は伊勢市駅、宇治山田駅、鳥羽バスセンターから臨時バスを出す。

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