陸上自衛隊明野駐屯地・航空学校（伊勢市小俣町）で1月16日、成人式と弁論大会が行われた。

明野駐屯地のヘリコプターのパイロットや整備士を目指す成人

　ヘリコプターの操縦や整備など非常時に備えた訓練を繰り返す隊員約1000人が任務に就く同駐屯地で、今年成人を迎える対象者は12人。この日は9人が出席した。

　航空学校長兼明野駐屯地司令・陸将補の大西裕文さんは「今年伊勢神宮は20年に1度の式年遷宮を迎える。君たちと同じ20年の節目を迎えて新たになる。他人を思いやるにはまず、自分が強い心を持っていなければならない。飛躍の時代に充実した人生を送るためには人間としての日々の修行を怠ってはならない。しっかり頑張れ」とエールを送った。

　成人式の後、9人は先輩隊員ら約250人が見守る会場を舞台に弁論大会に臨み、思い思いの決意を言葉にした。島根県出身の菅沢大輔3曹は「誇りを持って生きることの大切さ。自分を強く持つこと。志を変えないこと。日本人であることに誇りを持って、身を挺（てい）して国を守ることを決意する」と力強く語った。

　福島県出身の佐藤良哉3曹は、いわき市であった地元の成人式に出席した際、東日本大震災で亡くなった同級生の遺影が掲げられていたことから感じた率直な思いを「自分も、友人たちも、みんなが復興のために尽くし、社会貢献しようと考えている。お金や物に縛られない価値を見いだしている。人や故郷、社会との絆を大切に、世のため人のために行動する。福島いわき出身の社会人として今後の自分に期待してほしい」と決意を述べた。