三重の文化を掘り下げ紹介する情報紙「伊勢人（いせびと）」の161号 となる伊勢神宮の遷宮を特集する「遷宮記念号」が2月1日、三重県内の書店に並んだ。発行は、伊勢文化舎（伊勢市神田久志本町、TEL 0599-23-5166）。

三重の地域文化誌「伊勢人」、伊勢神宮式年遷宮記念号を発行

　2005（平成17）年から始まった第62回式年遷宮も、今秋いよいよクライマックスとなる「遷御（せんぎょ）」を迎える。式年遷宮とは、20年に一度、神宮の全ての社殿を建て替え、装束、神宝など新しく作り替え、神々にお遷（うつ）りを願う行事。690年（持統天皇即位4年）から数え1300年以上の歴史があり、さまざまな儀式や匠（たくみ）による伝統の技が受け継がれている。

　同社は1993（平成5）年、前回の第61回式年遷宮から地元メディアとして遷御をはじめ遷宮の関連行事を記録し、見届けてきた実績を持つ。今号では「伝える」をテーマに、前回からの20年間を通し、さまざまな立場の人々の言葉を耳を傾け、前回撮影した写真を使用しながら、地元ならではの切り口で遷宮を特集する。またこの夏に行われる「お白石持行事」についても詳しく紹介する。

　「神宮取材三十余年」のコーナーでは同社の30年間の活動を振り返っている。同社顧問・元「伊勢志摩」編集長の乾淳子さんは「前回の遷宮の取材では目の前に起こることを伝えることで精一杯だった。2度目の今回は遷宮の背景にあるものをじっくりと考える心のゆとりがあるので、紙面を通して自分なりのメッセージを残したい」と意気込む。

　価格は840円。三重県内の主要書店、観光施設、同社ホームページなどで販売する。