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志摩で映画「校歌の卒業式」-「三丁目の夕日」プロデューサーの母校閉校で

志摩で映画「校歌の卒業式」-「三丁目の夕日」プロデューサーの母校閉校で

志摩で映画「校歌の卒業式」-「三丁目の夕日」プロデューサーの母校閉校で

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 映画「ALWAYS 三丁目の夕日」プロデューサーで志摩市出身の山際新平さんの母校・船越中学校(志摩市大王町船越)が今年の3月で閉校になる。思い出を作ろうと、山際さんと同級生で同校最後のPTA会長の橋爪吉生さんたちが町を巻き込んだ地域参加型の映画づくりに取り組んでいる。映画のタイトルは「校歌の卒業式」だ。

映画「校歌の卒業式」のクライマックスシーン撮影現場

 1947(昭和22)年創立の同校は、英虞湾と太平洋に囲まれた小さな町の高台に建つ。今年3月8日に最後の卒業式が行われ、これまで2259人が卒業した。山際さんや元プロ野球選手の大道典嘉さんらを輩出する。

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 「船中が閉校になる。お前も協力してくれ」と橋爪さんは、映画制作に携わる幼なじみの山際さんに電話をした。山際さんは「その電話を受けた時、英虞湾に落ちる夕日を見ながら町のみんなと一緒に校歌を歌っているシーンが頭の中を駆け抜けた」と振り返る。

 文部科学省によると、2004(平成16)年の577校をピークに、毎年400~500校が日本国内の各地域で閉校しているという。山際さんは「当初は思い出作りの映像作りくらいのつもりだったようだが、同じような寂しい思いをしている人々がいる。学校が無くなることで地域のコミュニティーが希薄になってしまうかもしれない。町がさらに元気を失ってしまうかもしれない。自分にできることは?母校の閉校をきっかけに考えさせられた。日本全国、世界中で同じ境遇の人たちに地域のあり方を見つめ直してもらえるような映画を作ろうと思った」と熱く語る。

 「キャストは、地域の人々。町ぐるみで参加し共有しながら作り上げていくことを意識した」と山際さん。同校3年生、野球部ピッチャーで高校受験生の橋爪吉平(きっぺい)さんや、卒業生で学生時代、先生に迷惑を掛けそのお詫びと町への恩返しをしたいと立ち上がる山崎與志信(よしのぶ)さんら、町の人たちが素人ながらに台詞(せりふ)を覚えて迫真の演技で臨んだ。

 手塚治虫原作の「ジャングル大帝」のアニメーション監督などを務める宇井孝司さんが監督を務め、ヒロイン役の転校生に映画「初めての家出」や「60歳のラブレター」に出演する女優の金澤美穂さん、音楽の先生役にピアニストの佐田詠夢さんとその兄役にバイオリニストの佐田大陸さん(実際の兄妹で父親は歌手のさだまさしさん)が出演する。

 映画は、現実の世界と映画の世界が入り混じる半ドキュメンタリー的な要素を持つ新しい発想で作られ、現実の中の感情が映画の中に反映され複雑に交錯する。ストーリーは、閉校になる船越中学校の校歌を町のみんなと一緒に慕情ヶ丘(同)で英虞湾に沈む夕日を見ながら歌おうと、最後の卒業生・3年生たちが企画する。3年生たちはどれだけの町の人が参加してくれるか不安になる。さらに高校受験を控え受験勉強に時間が割かれ思うように計画が進まず葛藤(かっとう)する。そこに子どもたちの計画を成功させようと、卒業生の與志信さんが旗振り役として現れる。與志信さんの意識の変化が元気のなかった町を動かしていく。

 今年7月の完成を目指し、国内外の映画祭へのエントリーを計画する。

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