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ペンギンも祝福する代々木高校の入学式-徒歩1分の志摩マリンランドで

ペンギンも祝福する代々木高校の入学式-徒歩1分の志摩マリンランドで

ペンギンも祝福する代々木高校の入学式-徒歩1分の志摩マリンランドで

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 広域通信制高校「代々木高校」(志摩市阿児町賢島)の8回目の入学式が4月20日、「寿」の文字が背中にあるカンパチが泳いでいると話題になっている「志摩マリンランド」(同)入り口のペンギン水槽前で行われた。

キングペンギンも入学式の様子を観察「代々木高校の入学式」

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 伊勢志摩国立公園の中心の賢島に本校を置く同校は、志摩市が「伊勢志摩インターネット高校特区」として、豊富な自然やスポーツに適した環境を生かした教育を実施し、自然とスポーツを加えた情報通信ネットワークの街=志摩市を全国にアピールしていくことを目的に認可した通信制高校。東京、名古屋、大阪に本部を置き、全国40以上のサテライト校のほかオーストラリアやカナダなど海外でも日本の高校に通える環境を提供する。

 この日新入生36人は、快晴の空の下で気持ちよく水の中を泳ぐフンボルトペンギンやキングペンギンに見守られながら入学式に出席。同校校長の一色真司さんは「『当たり前』『常識』だと思っていたものをもう一度考え直し、既成概念にとらわれず新しい発想を持って物事にチャレンジしてほしい」と訴えた。

 伊勢の高麗広(こうらいびろ)の土地を開拓しベンチャーでキクラゲ栽培に挑んでいる起業家で4児の父親でもある西山直孝さん(32歳)も入学を決めた一人だ。すでに同校敷地内にキクラゲ栽培用の棚を作り約150本のキクラゲの菌床を設置した。キクラゲ栽培を教育に活用しようと今年からの新たな取り組みも。「『新入生の西山さんが指導者となって、同級生や先輩たちに農業を教える』という不思議な構図も起こり得る(笑)」と一色さん。西山さんは「少年時代、ヤンチャ盛りだったため高校に行けなかった。心機一転改め直し、自分らしく、これまでの経験を生かし多くの人に農業を伝えたい。いつも笑って過せる環境を作って学生生活を楽しみたい」と意欲満々だ。

 人気の「伊勢志摩料理人コース」は、同校が紹介するホテルや旅館、飲食店で働きながら高校資格が取れる環境を作り、料理人を志す若者にとっては、人よりも3年早くその道に進むことができるため可能性が広がると全国から生徒が視察にやってくる。今年度新たに1年生4人が入学した(同コース2年生5人、3年生2人)。

 同コース初の女性となる静岡県出身の鈴木優希菜さんは左利きのため、包丁や箸を持つ手を右利きに矯正している最中だという。「父がこの学校のことを見つけて教えてくれたので(入学を)決めた。和食の料理人になりたいが高校を卒業してからだと思っていたのに、3年早く実現することができてとてもうれしい。夢に向かって頑張りたい」と決意も固い。鈴木さんは、4月2日から鳥羽市にある「ホテル浜離宮」(鳥羽)で研修中だ。

 同校には、今年132人が入学、4月20日現在で全校生徒は559人になった。

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