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伊勢「せんぐう館」で「幻の染色法」初公開-日本の伝統技術わかりやすく

伊勢「せんぐう館」展示一新-木彫、彫金、染織、織物など日本の伝統技術わかりやすく(写真は「幻の染色法」といわれる「纐纈帛」初公開)

伊勢「せんぐう館」展示一新-木彫、彫金、染織、織物など日本の伝統技術わかりやすく(写真は「幻の染色法」といわれる「纐纈帛」初公開)

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 昨年4月に開館した「式年遷宮記念 せんぐう館」(伊勢市豊川町、TEL 0596-22-6263)は5月29日、伊勢神宮式年遷宮で社殿の建て替えとともに、新しく作り替える神宝「御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう)」調整工程品の展示の一部を一新した。

「鶴斑毛御彫馬」の調整工程品には匠の技が随所に

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 新しく展示された神宝は、「彫馬(えりうま)」と呼ぶ飾り馬の木彫「鶴斑毛御彫馬(つるぶちげのおんえりうま)」と、太刀を下げるベルトのような役割をする組みひもの帯「唐組平緒(からくみひらお)」、「纐纈帛(こうけちはく)」「織物」など。

 全6匹を奉納する「彫馬 」は、その内の「鶴斑毛御彫馬」の調整工程品を公開。漆工や彫金、螺鈿(らでん)装飾の技術の粋をわかりやすく展示。46本の糸を1日約1センチ、全長約3メートルに組み上げる「唐組平緒」は「組紐の王者」と言われる難易度の高い組紐と刺繍(ししゅう)の技術が、2枚のホウの木の厚板で帛(絹布)を挟み、防染側一面に纐纈文と称する唐花文様を浮き彫りする「纐纈帛」を作る技法は「幻の染色法」と言われるほど難しい技術。

 同館学芸員の深田一郎さんは「平安時代に絶えたとされる纐纈帛の技術は、前々回(1973年)の式年遷宮のころから復活させようと調査・研究を始め、前回(1993年)の遷宮で納め伝統を継承したもの。今回新たに一般の人にも公開した。古代から伝わってきた技術を100年後にも伝えたい。伝統技術の衰退著しい現在において、(展示を見て)親しみ、何かを感じ、気づいていただき、例えば1万人に1人の方がやってみたいと思っていただければ本望」と話す。

 開館時間は9時~16時30分。第4火曜休館。入館料は、高校生以上=300円、小中学生=100円。

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