歌手の五木ひろしさんが10月6日、鳥羽市の加茂小学校(鳥羽市岩倉町)体育館で同級生や後輩、抽選で選ばれた市民ら約600人の前でコンサートを行った。
五木さんは今年3月、同校新校舎竣工式に出席。鳥羽市長の木田久主一さんと同級生であること、5歳から鳥羽市で過ごし、2年生の途中まで同校に通ったことなどを打ち明け、「今度帰ってくる時に歌をプレゼントをしたい」と約束したことを受けて実現した。
1965年6月、松山まさるの名でデビューした五木さん。その後一条英一(1967~1968)、三谷謙(1969)と改名するもヒット曲はなく苦しい時代を過ごした。1971年3月1日、五木ひろしに改名しリリースした「よこはま・たそがれ」(作詞=山口洋子さん、作曲=平尾昌晃さん)が大ブレーク。その後は、「ふるさと」(1973)、「千曲川」(1975)、「おまえとふたり」(1979)、「契り」(1982)、「細雪」(1983)など次々とヒットを飛ばし、演歌歌手として現在も活躍する。
コンサートは竣工式でアカペラで歌った「ふるさと」や「よこはま・たそがれ」などを熱唱。会場の人たちは五木さんの歌に酔いしれた。体育館の外の校庭では抽選から漏れた地元の人たちが耳をそばだてながら、微かに聞こえる五木さんの歌を聞いていた。
五木さんは「皆さんとの約束を果たすために今日、東京からやってきた。市長からは2回公演を。と言われたが、終わったらすぐ九州に行かなければならない。残念だけど、また機会があったらお邪魔したい」と再び約束した。「伊勢神宮で式年遷宮が行われているこのタイミングで、この地に来れたことをうれしく思う。来年がデビュー50周年になる。校庭のクスノキや二宮金次郎の像は思い出であり僕の原点」と感慨深く打ち明けた。
五木さんはコンサートと合わせて同体育館の緞帳(どんちょう)をプレゼント。「こんなに大きく五木ひろしと書かなくても(笑)」と緞帳の自身の名前の大きさに驚いていた。木田鳥羽市長からは伊勢エビ10キロが五木さんにプレゼントされた。