毎年、冬至を挟む前後2カ月間、伊勢神宮内宮(ないくう)の宇治橋と大鳥居の中央から朝日が昇る。今年の冬至は12月22日。この日は、太陽神でもある天照大御神(あまてらすおおみかみ)が新宮に遷(うつ)ってからの最初の冬至となる。
毎年冬至が近くなると、鳥居の間から昇る朝日を撮影しようと場所取りのために多くのカメラマンが宇治橋前に三脚を立てて集合する。近年は、それに混じって一般参拝者も時間前から待機するようになった。12月2日も鳥居前には大勢の参拝者とカメラマンが集まっていた。
JTB(東京都品川区)は、国内旅行のパッケージツアー「エースJTB」で「伊勢神宮(内宮)の大鳥居からのぼる『朝日』を見に行こう」と題したオプショナルツアー「お伊勢さん早朝参拝ツアー」(1,000円)を今年12月2日からのツアー参加者を対象に募集したが「満員御礼」だという。北海道の自然や富士山の景色など、その時現地に行かないと見ることができない「瞬間」を見るツアーを「感動の瞬間(とき)」シリーズとして全国で販売、「特に伊勢神宮大鳥居からの朝日は断トツの人気」(担当者)。
2日の早朝には、シャターチャンスを待ち構えるカメラマンや一般参拝者に混じって、大型バス2台でやってきた約70人の同ツアー客も感動の瞬間を体感していた。日の出とともに居合わせた人たちの口からは自然と「神々しい」「すごい」「きれい」「感動」「来てよかった」などの言葉が出ていた。
「本番」の冬至の日の日の出時刻は約6時56分だが、宇治橋の南東に島路山(標高367.68メートル)があるため、宇治橋前からは約40分遅れて日が昇る。この日は日曜日にあたり、翌23日が天皇誕生日の祝日と重なり連休となるため、多くの人出が予想される。
伊勢市観光協会(伊勢市本町)は毎年、冬至の日の朝日が昇った後、内宮駐車場に設置したテントで「冬至ぜんざい」を無料で振る舞い、ユズを無料配布(それぞれ先着300人分)する「冬至祭」を開いている(雨天中止)。