元Jリーガーで現在サッカーのクラブチーム「FC伊勢志摩」(志摩市阿児町)の監督として活躍する中田一三(いちぞう)さんが12月19日、コミュニティー大学「賢島大学」(同)の講師を務め、まちづくりとしてのサッカーの可能性について講演を行った。
プロサッカー選手を50人以上輩出する元四日市中央工業高校(四日市市)監督の城雄士(じょうゆうじ)さんが名誉監督、元日本代表の小倉隆史さんや中西永輔さんらがアドバイザーに顔をそろえる同チームは、昨年12月に産声を上げた。本年度より三重県社会人サッカーリーグ2部に所属し、試合を重ね、全14節を行い12勝0敗2分け、勝ち点38、得失点差111の成績を残し、創部1年目で優勝を果たした。
伊賀市出身の中田さんは、四中工サッカー部卒業後、横浜フリューゲルス、アビスパ福岡、大分トリニータ、ジェフユナイテッド市原・千葉で活躍。現在NPO法人「スポーツクラブどんぐり」(伊賀市)などを立ち上げ、スポーツを通して子どもたちの育成を行っている。
中田さんは、サッカーの「多階層リーグによる上下位入れ替え制度」や「ホームタウン制度」などを取り上げ、「地域が一体となってチーム(選手)を応援することで、地域にアイデンティティーが形成され、地域愛が生まれ町に活気が戻ってくる。実際に、鹿島や磐田、鳥栖には人口よりも多いサポーターで盛り上がる」と説明。さらに「伊勢志摩は食べ物がおいしく、温暖で、宿泊施設が多いのでサッカーの合宿にも最適」と付け加える。
2014年度から日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は、J2の下位リーグに当たるJ3を創設する。J3は、ホームスタジアム収容人員が5000人以上、プロ契約選手1チーム3人以上など条件を緩和し、さらにサッカーを盛り上げようと画策する。「漁業の町としてもにぎわう志摩。大漁旗をなびかせたサポーターが詰め掛け、歓声こだまする満員のスタジアムで監督をしている自分がいる。そんな夢をいつもイメージしている。まずはJ3を目指す」と思いを込める。