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伊勢志摩から「赤富士」、直線距離200キロ-標高555メートルの朝熊岳から

伊勢志摩から「赤富士」、直線距離200キロ-標高555メートルの朝熊岳から。手前の海(伊勢湾)に浮かぶ島は三島由紀夫の「潮騒」の舞台となった神島(撮影=高田健司さん)

伊勢志摩から「赤富士」、直線距離200キロ-標高555メートルの朝熊岳から。手前の海(伊勢湾)に浮かぶ島は三島由紀夫の「潮騒」の舞台となった神島(撮影=高田健司さん)

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 標高555メートル、伊勢志摩で最も高い山「朝熊岳(あさまだけ)」の展望台(伊勢市朝熊町)から伊勢市在住のフリーカメラマンの高田健司さんが1月10日、直線距離で約200キロ離れた日本最高峰の富士山が赤く染まった「赤富士」の撮影に成功した。

伊勢志摩から直線距離で200キロ離れた富士山の裾野もくっきり

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 高田さんは、鈴鹿サーキット(鈴鹿市)で行われる自動車レースの最高峰F1グランプリをはじめとするモータースポーツや伊勢志摩の大自然を中心に撮影するプロカメラマン。

 同山は、山頂付近に伊勢神宮の鬼門(北東=丑寅)を守る寺といわれる金剛證寺(こんごうしょうじ)が立ち、「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」と伊勢音頭の一節にもうたわれ、江戸時代から伊勢神宮と同寺を参詣する風習が残る。今年は伊勢神宮式年遷宮の翌年に当たるため20年ぶりに、本尊として祭る日本三大虚空蔵菩薩(ぼさつ)の第1位に位置付けられる「福威智満虚空蔵大菩薩(ふくいちまんこくうぞうだいぼさつ)」のご開帳が10月に行われる予定。

 この日は、日の出前の6時ごろから富士山のシルエットがはっきりとわかり、雲はあったが富士山の見える方角の視界はきれいに開き空気がとても澄んでいた。高田さんは「今年3回目にして素晴らしい絶景に出合うことができた。特に今日は富士の裾野もくっきりと見え、太陽も水平線から顔を出し『だるま(朝日)』になった。静岡からの『赤富士』も以前撮影したことがあるので本来はもっと赤く染まったものをいうと思うが、200キロ離れた伊勢からの『赤富士』にしては充分染まったので、とても満足」と話す。

 「こんな素晴らしい景色に出会えるチャンスは正月から15日までのこの期間と、6月の夏至の期間しかない。特に冬場は富士山が観測できる確率が高いので、地上がだめでも諦めずに登るようにしている。ぜひとも多くの人にこの伊勢志摩の自然・絶景を見てもらいたい。早朝はかなり寒いので防寒対策をしっかりして」と付け加える。

 同山には、三重県観光開発(津市)が運営する観光有料道路「伊勢志摩スカイライン」を通行する。通行料金は、自動二輪車=860円、軽・小型・普通自動車=1,220円。開門時間は、1月15日までは6時~19時まで(通常は7時~19時)、5月~8月は6時~20時。

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