20年に一度の式年遷宮造営工事が行われている伊勢神宮内宮(ないくう)別宮の「風日祈宮(かざひのみのみや)」(伊勢市宇治館町)で8月25日、屋根のかや葺(ふ)き作業が終わり屋根に飾り金物「甍覆(いらかおおい)」を取り付ける祭典「甍祭(いらかさい)」が行われた。
昨年の7月21日に内宮正殿、同23日に外宮正殿でそれぞれ行われた甍祭では、甍覆と千木(ちぎ)、御形短柱(ごぎょうづか)を取り付けたが、別宮では正殿よりも質素に仕上げるため甍覆のみが取り付けられる。
この日、祭典では「小工(こだくみ)」と呼ばれる宮大工2人が2つの甍覆を取り付ける所作を行った。実際に甍覆を取り付けると新しい社の外観が完成する。
甍祭は、月読宮、月読荒御魂宮(3月20日)、伊佐奈岐宮、伊佐奈彌宮(5月25日)、瀧原宮、瀧原竝宮(6月25日)、伊雑宮(7月25日)と風日祈宮(8月25日)で執り行われ今後、倭姫宮(9月5日)、土宮(10月25日)、月夜見宮(11月5日)、風宮(12月20日)で行われる予定。
別宮の「杵築祭(こつきさい)」「後鎮祭(こうちんさい)」「遷御(せんぎょ)」「奉幣(ほうへい)」は、それぞれの日程が天皇陛下の御治定(ごじじょう)(お定め)により確定した。まだまだ、伊勢神宮の式年遷宮は終わっていない。