神風起こし日本を救った風の神様「風日祈宮」で伊勢神宮遷宮行事

神風起こし日本を救った風の神様「風日祈宮」で伊勢神宮遷宮行事

神風起こし日本を救った風の神様「風日祈宮」で伊勢神宮遷宮行事

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 神風を起こし日本を救ったとされる風の神様「風日祈宮(かざひのみのみや)」で6月10日、20年に一度社殿などを新しくする式年遷宮行事の一つ「立柱祭」と「上棟祭」が執り行われた。同宮は伊勢神宮内宮の中にあり、島路川(元は五十鈴川)に架かる風日祈宮橋を渡った場所に立つ。

「風日祈宮」で伊勢神宮遷宮行事「立柱祭」

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 風の神として知られる同宮の祭神は、イザナギとイザナミの間に生まれた級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長戸辺命(しなとべのみこと)。鎌倉時代の1230(寛喜2)年から18年間伊勢神宮祭主を務めた大中臣隆通(おおなかとみのたかみち)の子「通海(つうかい)」が1287(弘安10)年前後に書いた「太神宮参詣記(別名=通海参詣記)」によると、鎌倉時代、蒙古襲来・元寇(1274年文永の役、1281年弘安の役)の時に2度の神風を吹かせ国難を救ったとされる。その功績から1293(正応6)年に末社格の「風神社」から別宮「風日祈宮」に昇格。毎年5月14日と8月4日に適当な風が吹き、適当な雨が降るよう、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する「風日祈祭(かざひのみさい)」が執り行われている。

 立柱祭は、正殿を支える御柱(みはしら)を立てる祭典で大宮柱がいつまでも揺るぐことのないよう建築の神様「屋船大神(やふねのおおかみ)」にお祈りした後、正殿を支える御柱を小工(こだくみ)と呼ばれる宮大工が木づちで打ち固める祭典。

 上棟祭は、一般的に「棟上げ」「棟上げ式」と同じ趣旨で、屋根の一番高いところの棟木(むなぎ)を組み終わる時に「棟や梁(はり)が緩まないように、動かないように」と祈願する祭典で、神職らが棟木から垂らされた2本の白い布綱に手をかけ、小工が屋根の上から「千歳棟(せんざいとう)、万歳棟(まんざいとう)、曳々億棟(えいえいおくとう)」と唱え小づちで棟木を3度打ち固める。

 内宮の中でもひときわ森の中にたたずむ同宮。梅雨時に日本に渡来し繁殖することから「雨乞いの鳥」「水を運んで来る鳥」とも呼ばれる赤く美しい夏鳥「アカショウビン」が上棟祭が始まる直前に、姿は見えないがその鳴き声から、祭典を見守るかのように同宮をぐるりと回った。その後、鳴き声が遠のきいなくなってしまったと思っていると祭典中に、再び近くまでやってきてアカショウビン特有のさえずり「ヒヒョロロ…」と大きくひと鳴きした。

 同宮では造営作業が進められ、7月10日に「檐付祭(のきつけさい)」、8月25日に「甍祭(いらかさい)」が行われる。

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