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鳥羽商船高専チーム、世界大会「イマジンカップ」日本代表で健闘

鳥羽商船高専チーム、世界大会「イマジンカップ」日本代表で健闘

鳥羽商船高専チーム、世界大会「イマジンカップ」日本代表で健闘

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 米国シアトルで7月29日~8月2日に開催された学生向けITコンテスト「Imagine Cup(イマジンカップ) 2014」世界大会で、鳥羽商船高等専門学校(鳥羽市池上町)のチーム「kazokugurumi(家族ぐるみ)」が日本代表として出場し健闘した。

鳥羽商船高専チーム、世界大会「イマジンカップ」に日本代表として出場

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 米・マイクロソフト主催のイマジンカップは、同社創業者兼テクノロジアドバイザーのビル・ゲイツさんが、国際競争力のある人材育成を目的に発案した学生向けのITコンテストで、2003年のスペイン・バルセロナ大会からスタート。これまでに190カ国以上、165万人以上の学生が参加し、2005年には横浜で開催された。

 今回で12回目となる同大会は、34カ国・1万1658チーム、1万6892人の学生が計7491件のシステムプランを応募した。「GAMES(ゲーム部門)」「INNOVATION(イノベーション部門)」「WORLD CITIZENSHIP(世の中に役立つものを開発する部門)」の3部門が用意され、各部門の優勝チームには5万ドルの賞金、その中から選ばれた最優秀チームにはビル・ゲイツさんへのプレゼンの機会が与えられる。

 同チームは、核家族化が進む現代社会が抱える問題を解決しようと、パンダやウサギなどの形をした「ぬいぐるみ」をインターフェイスにした遠隔コミュニケーションシステムを開発。祖父母と孫や、共働きで忙しい両親とその子どもとのやり取りなどを想定したシステムだ。マイコンを内蔵した二足歩行ロボットにぬいぐるみを着せ、ぬいぐるみの鼻の部分にカメラ、首にスピーカーとマイクを取り付け、相手側にはタブレットPCと「Kinect」と呼ぶ「Xbox 360」などにも搭載されている同社製の動作・音声認識センサーを接続し、テレビ通話だけでなく相手側の動作を認識しぬいぐるみ側に伝え、ぬいぐるみも連動して動くという子どもとのコミュニケーションをより楽しく取ることが出きるシステムに作り上げた。和名「家族ぐるみ」、英名「Cuddly Connect」と名付けた。

 同社担当者は「近年のトレンドである「IoT (Internet of Things)(あらゆるものがインターネットにつながる)」的な発想のシステムで、組み込み開発、ネットワーク制御、テレビ通話アプリなど多様な技術を組み合わせてシステムを構築している点が高く評価された」と説明する。

 同システムの開発には、島影瑞希さん(専攻科1年)、制御情報工学科の宮村騎久也さん(5年)、Choviwatana Palin(チョーウィワッタナー・パリン)さん(4年)、濵口堅太さん(3年)、小山紗希さん(2年)、Norov-Erdene Batzaya(ノロブエルデネ・バトザヤー)さん(当時5年)が関わり、島影さん、宮村さん、パリンさん、濱口さんの4人と同科准教授の江崎修央さんが同大会に臨んだ。

 宮村さんは「ビル・ゲイツさんの前でのプレゼンはできなかったが、世界の実力を肌で感じることができてとてもいい経験ができた。『TED』出演者のプレゼン手法を見て勉強をしたが、他国チームのプレゼン力の凄さに圧倒され、もっと自己アピールをしなければと反省した。審査員からはどういったところで使ってもらうようにするかなどマーケティング的な指摘や機能の付加は可能かなど、具体的な質問が出た。社会の問題解決に貢献できるように、今後さらに改良を重ねていきたい」と話す。

 今年のワールドチャンピオンには、下まぶたの写真を撮るだけで結膜の分析と貧血の検査・リスク計算ができるアプリ「Eyenaemia」を開発したオーストラリアのチームが選ばれた。

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