国指定重要文化財の「賓日館(ひんじつかん)」(伊勢市二見町、TEL0596-43-2003)で現在、平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した僧侶で歌人の「西行(さいぎょう)」1118年~1190年)を紹介している。主催は二見浦西行実行委員会。
「賓日館」で展示中の西行が草庵を結んだとされる安養寺跡からの出土遺物
西行(1118年~1190年)が晩年を過ごした6年間(1180年~1186年)を二見浦にあった安養寺近くに草庵(そうあん)を結び、和歌を通じて伊勢神宮の神官・荒木田満良らと交流を重ねたという西行。同実行委員会はより深く西行について学ぼうと「そこに西行がいた!!~西行が愛したまち 二見浦~」としてさまざまな催しを展開している。
西行は、裕福な武士の家に生まれ23歳(1140年)の若さで出家。歌を詠みながら全国を行脚し、各地に歌を残す。「新古今和歌集」には最多の94首が紹介されている。「何ごとの おはしますをば 知らねども かたじけなさに 涙こぼれて」または「何ごとの おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」と詠んだ歌は西行が伊勢神宮に参拝した時のものと言われている。
同実行委員会は、11月1日~同30日までの期間、「安養寺跡出土遺物」の展示を同館で開催。同16日には4回目となる「西行ウオーク」を実施した。同29日には同実行委員会メンバーらが西行のことをより知ってもらおうと演劇「命なりけり~西行、覚悟の旅立ち」に挑戦する。
同演劇の開演時間は15時20分~16時30分、同館の入館料(300円)が必要。問い合わせは同実行委員会事務局(TEL 0596-43-2231)まで。