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百五銀行、志摩市にオリーブの苗120本寄贈-100年を超え再チャレンジ

百五銀行、志摩市にオリーブの苗120本寄贈-100年を超え再チャレンジ

百五銀行、志摩市にオリーブの苗120本寄贈-100年を超え再チャレンジ

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 昨年11月13日に志摩市と「地域活性化連携協定」を締結した百五銀行(津市)が2月11日、社会貢献活動(CSR)の一環として志摩市へオリーブの苗木120本を寄贈、その贈呈式と記念植樹会が志摩市観光農園(志摩市磯部町)で行われた。

【その他の画像】百五銀行が志摩市にオリーブの苗120本寄贈(植樹祭の様子)

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 1908(明治41)年、今から100年以上前にオリーブオイルの国内自給を図るため農商務省(現在の農水省)がオリーブの苗木を米国から輸入し三重県と香川県、鹿児島県の3県で試験栽培を行った。その結果、香川県の小豆島を中心とした地域での栽培に成功、三重県と鹿児島県では失敗に終わった。香川県は現在、国内生産量断トツ1位の約153トン(栽培面積約163ヘクタール)を誇る。

 健康・美容志向の影響で国内のオリーブオイル市場は急成長。オリーブオイルの輸入量は1993年には約5100トンだったものが20年で10倍の約5万1000トン(2013年)になった。国内におけるオリーブ栽培は1993年の生産量約39トン、栽培面積約47ヘクタールに対して2012年には同約158トン、同約243ヘクタールに、生産量4倍以上、栽培面積5倍以上に増えた。香川県も国内産の需要拡大に伴い20年で栽培面積を7倍にした(農林水産省調べ)。

 当初、栽培地域は香川県と岡山県だけだったが、近年は大分、熊本など九州地方を中心に拡大中。「九州を東洋一のオリーブの島に」を旗印に、九州は一丸となって2009年に九州オリーブ普及協会(KOA)を設立、九州に100万本のオリーブを植えるプロジェクトを推進中だ。昨年度は3トンを収穫し商品化にこぎ着けた。さらにより実践的に栽培を促進するためKOAから派生した組織が「日本オリーブ大学」を開校する動きに発展させ、これまでに100人以上の卒業生を輩出する。九電工と天草市は2010年に「オリーブ事業に関する調査・研究のためのパイロット事業」の協定を締結、3年間で約6700本(現在は約1万7000本)を植樹するなど、積極的な事業展開が各所で沸き起こっている。

 この日は、同行の上田豪頭取と行員約50人、大口秀和志摩市長ほか市役所職員ら約10人が参加。アルベッキーナ、ピクアル、ネバディロ・ブランコ(以上スペイン産)、レッチーノ、フラントイオ、ルッカ(以上イタリア産)の6種類の苗木120本のうちの42本を植樹した。残りの苗木は、市営の山口農園(阿児町)に54本、英虞湾に浮かぶ離島・間崎島(志摩町)、波切漁港(大王町)、三重県立水産高校(志摩町)にそれぞれ6本、三重県農業研究所(松阪市)に観察用として6本を植樹予定。

 上田頭取は「オリーブの栽培は100年の月日を越えた再挑戦。志摩市は(最大のオリーブ生産国のスペインにちなんだ)『志摩スペイン村』があることなどイメージも合致するので農業としての位置付けだけでなく観光としての切り口でも将来、『産業』と育つ可能性に期待している。たくさんの人が関わってまさに、大きな花を咲かせて実を付ける事業に育てていきたい」と意欲を見せる。「栽培に成功すれば銀行としてできるアドバイスや特別融資制度なども積極的に行っていく予定。継続的な取り組みにしていきたい」とも。

 上田頭取は、同事業の専任者に支店長経験者で伊勢市在住の慶谷祥彦(けいやよしひこ)さんを抜てき。営業渉外部地域貢献課に配属された慶谷さんは「辞令を受けた時は(農業などしたことなかったので)青天のへきれきだったが、何とか勉強しながら取り組んでいる。昨年9月には天草や鹿児島などの先進地の視察にも行った。まずは選んだ6種類の品種がこの地域に適したものであることを祈りつつ、この事業を盛り上げていきたい」と熱い思いを明かす。

 志摩市の農林水産部農林課長の澤村博也さんは「これまでウメやブルーベリーなどの栽培に取り組んできた。2011年度からオリーブの栽培に取り組み、これまで1000本以上の苗木の購入に半額の補助を出してきた。現在はまだ試験栽培の段階なのでどの品種がこの地域に適しているかわからないので具体的な計画はないが、最適種が見つかれば栽培本数を増やして『産業』に育つように取り組んでいきたい」と話す。

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