尾鷲ヒノキを使った加工品などを販売する貫じん堂(伊勢市通町)が新製品として販売する三重県産のヒノキを加工した「耳マーク」が8月3日から、第三銀行(松阪市京町)の三重県内64店の窓口カウンターに設置された。
【その他の画像】第三銀行八間通支店の窓口でヒノキの「耳マーク」
「耳マーク」とは、外見からは耳が不自由だと分からない人々の存在と立場を社会一般に認知してもらい、コミュニケーションの配慮などの理解を求めていくためのシンボルマークで、「全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」が考案、普及に取り組んでいるもの。このマークを指し示すだけで聴覚障がい者だとわかり、筆談などによりスムーズに各種手続きができるよう、行政機関や事業所の窓口などへの設置が増えている。
「耳マーク」のピクトグラムは、ドイツに本部がある国際的森林管理の認証機関「FSC(森林管理協議会)」認証材で速水林業(北牟婁郡紀北町)の尾鷲ヒノキを使いウッドメイクキタムラ(同)が加工。心身障がい者小規模授産施設の「たまき末芳園(まっぽうえん)」(度会郡玉城町)がUV印刷を担当、「耳マーク」と共に、「耳の不自由な方は筆談しますのでお申し出ください」と印刷されている。サイズは、横130ミリ、高さ180ミリ、厚さ5ミリ。
環境保全活動と障がい者自立支援活動の一環としてCSRの観点から「耳マーク」設置を決めた同行。同行八間通支店(伊勢市船江)の並木隆浩副支店長は「ヒノキを使っているので窓口が温かい雰囲気になった」と感想を述べる。
「耳マーク」の設置を提案したのは、同社社長の辻村みすづさん。「銀行の窓口って結構プラやビニール製品が多くて木を使っているものが少なく、冷たい感じを受けてきた。第三銀行さんで採用いただきとても有り難い」と笑顔で話す。「たまき末芳園さんのことをある方から紹介されてお話を伺うと、『印刷のクオリティーは高いのに仕事がない』といい、何かいい方法はないかと考えてできたのが『耳マーク』商品。今後、市役所やほかの銀行などでも採用していただけるようになれば、さらにお仕事を発注することができて、ハッピーな循環が生まれる」とも。
同商品の価格は2,160円。同社のホームページでも購入できる。