富士山麓で毎年行われている陸上自衛隊の実弾射撃演習「富士総合火力演習」(通称=総火演そうかえん)が8月18日、東富士演習場(静岡県御殿場市)で始まった。明野駐屯地・航空学校(伊勢市小俣町)所属のヘリコプター8機が参加している。
総火演は、実弾を使って行う主要装備品の紹介や、戦闘時を想定したさまざまな作戦を訓練の一環として行うもので、陸上自衛隊の技術力を広く内外にPRすることが目的。期間中、戦車・装甲車約80両、各種火砲約60門、航空機約20機、その他の車両約600両を使って隊員約2300人が演習に参加。最終日23日昼に一般公開される演習は、抽選による観覧チケットで、今年のその倍率は約29倍になるほど人気をみせる。
明野からは、教育支援飛行隊のパイロット、整備士など隊員91人が、戦闘ヘリコプターAH-64D(アパッチ)2機、多用途ヘリコプターUH-1J(ヒューイ)4機、同UH-60JA(ブラックホーク)2機の計8機が参加、隊員は8月上旬から現地に赴き訓練を行っている。総火演に参加する全ヘリコプターは上記機種のほか、輸送ヘリコプターCH-47JA(チヌーク)、対戦車ヘリコプターAH-1S(コブラ)、観測ヘリコプターOH-6D(オスカー)。
演習は、陸上自衛隊の装備品を主に紹介する前段と尖閣諸島や竹島をめぐる領土問題からの対立を想定した訓練を行う後段の2部編成で行われる。国産の最新鋭「10式戦車」よるネットワーク射撃の実演のほか、すでに予算化され島嶼(とうしょ)の防衛能力を強化するため導入が決まっている新型輸送機(ティルト・ローター機)V-22(オスプレイ)のビデオによる紹介などがあった。
23日の演習は、「USTREAM」「ニコニコ生放送」「ひかりTV」などでライブ映像配信を予定している。