梅雨真っ最中の6月27日早朝、二見興玉神社(伊勢市二見町)の夫婦岩(めおといわ)の真ん中から朝日と富士山が重なり「ダイヤモンド富士」となった。
今年の夏至の6月21日は大雨だったため、富士山も朝日も拝むことができなかった。昨年は曇り空の中でも富士山と朝日が重なって現れ、同神社で開催された夏至祭に参加した人たちは興奮している様子だった。
同神社から富士山までは直線距離で200キロ以上。梅雨時期に夫婦岩の大しめ縄の間からダイヤモンド富士を撮影することはとても難しく、その絶景を撮影するために朝早くから多くのカメラマンが集結する。
撮影に成功したのは安乗中学校教頭の向井正明さん。「到着した時点では50人くらいだったカメラマンや参拝者は、最終的に100人くらいになった。私もカメラに凝り出して10年、二見に通い始めて8年くらいになるが、こんなにきれいに見られたのは初めて。天気図を見て今日は絶対見えると確信したので、平日だったが頑張って来たかいがあった」と話す。
その場に居合わせた若いカップルは「初めてなのにすごい時に来た。パワーをもらえた」と感動した様子。主要国首脳会議G7「伊勢志摩サミット」閉幕後ちょうど1カ月だったこの日は、伊勢志摩の各地でも富士山が観測できた。
現在、写真家・泊正徳さんの写真展「伊勢志摩から拝(み)る富士山」が、志摩市民俗資料館(志摩市磯部町)で開かれている。7月10日まで。